ソニーは、4月10日、2011年度(2012年3月期)連結業績を下方修正すると発表した。2月時点で見込んでいた売上高6兆4000億円(前年度比10.9%減)、営業損益950億円の赤字(前年度は1998億円の黒字)、税引前損益1150億円の赤字(同2050億円の黒字)、最終損益2200億円の赤字(同2596億円の赤字)を、売上高と営業損益、税引前損益を変えずに、最終損益だけを5200億円の赤字に修正した。

修正の理由は、第4四半期で米国の繰延税金資産に対する評価性引当金の計上などによる約3000億円の税金費用追加。米国の連結納税グループが2011年度を含む直近数年間で累積損失となる見込みで、同グループの繰延税金資産に対して現金支出を伴わない評価性引当金を計上することにした。この評価性引当金の計上は、今回追加した税金費用のうち約8割を占めるという。

2012年度連結業績予想は、通期為替レートが1米ドル80円前後、1ユーロ105円前後の前提で、営業損益については1800億円の黒字に転換することを見込む。なお、同社は、経営再建策の一環として年内に数千人規模、すでに決まっていた化学事業の売却や中小型液晶事業の分離などによる約5000人を合わせ、1万人規模の人員削減を実施する方針を固めている。