監督が語る映画『黄金のアデーレ』

2015.12.4 11:58配信
ヘレン・ミレンとサイモン・カーティス監督

『クィーン』や『RED』シリーズで知られるオスカー女優ヘレン・ミレンが主演を務める『黄金のアデーレ 名画の帰還』が公開されている。本作は実話を基にした作品だが、サイモン・カーティス監督が6年以上も企画を温め、リサーチを続けたようだ。

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本作のタイトルになっている『黄金のアデーレ』はグスタフ・クリムトの作品で、かつてマリアの家に飾られていたが、ナチスが絵画を没収。やがて激動の歴史の中でマリアは国を離れ、オーストリアの美術館にあの絵画が展示されていることを知る。そこで彼女は若い弁護士のランディの助けを借りて、オーストリア政府に絵画の返還を要求。現在では“国の宝”になっている絵画を政府が簡単に返すわけがなく、マリアたちはオーストリアへと向かう。

このエピソードを「ホロコーストや1930年代にヨーロッパで起きた悲劇と現在のアメリカをつなぐ物語」だというカーティス監督は、観客に「我々は今の生活を続けるだけでいいのか、あるいは過去を思い出すべきなのか?」と問いかける。「この映画では若いアメリカ人であるランディに、家族の歴史の大切さを理解させるように努めた。現在の生活を実現するために、先人たちがどんな試練を乗り越えたかもね。20世紀に何が起きたか、どんな過ちを犯したかを思い出させることは重要だ。思い出すのは重要なことなんだよ」。

本作には痛みを抱えたまま過去に向き合うことの難しさと重要さが、ふたつの時代を行き来しながら重層的に描き出される。一方で、本作は主人公のマリアと、弁護士のランディの掛け合いに魅了されるドラマでもある。「この映画はある意味で、おかしな2人組のロードムービーと言えるかもしれない。過去に向かう感動的な旅路で、若い男と年配の女性がお互いのことを好きになり、理解し合うようになるんだ。マリアは最初、彼のことを少々、うっとうしくて失礼な若者だと感じている。彼のほうは彼女を高圧的で癪にさわると感じている。でもマリアがウィーンに帰国するという感動的な旅路を一緒にたどることになる。そして当時のことや、お互いのことを学ぶんだ」

観客はミレンとライアン・レイノルズのテンポのいい掛け合いを楽しみながら、ふたりと共に旅し、国境を超え、時代を超えて、重要なメッセージや想いにたどりつくはずだ。

『黄金のアデーレ 名画の帰還』
11月27日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

(C)THE WEINSTEIN COMPANY / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ORIGIN PICTURES (WOMAN IN GOLD) LIMITED 2015

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