横浜国立大学に設置したCOGOOステーション

省エネルギー・省コストのコンサルティング事業を行うリレーションズは、4月9日、自転車シェアリングシステム「COGOO(コグー)」の実証実験を横浜国立大学で開始した。

自転車を好きな場所で借りて、好きな場所で返却できるサービス。一般の自転車シェアリングシステムには、駐輪ラック、電源、通信端末、精算機、電子錠などが必要だが、「COGOO」は自転車に電子錠を装着するだけで無人サイクルシェアリングを実現する。Android搭載のスマートフォンやタブレット端末に専用アプリをインストールし、Bluetoothを使って電子錠を開閉する仕組み。電子錠に搭載する機能を最小限に抑え、小型化・省エネ・分散化ができる。自転車は1台から設置が可能で、1台の自転車を数人で共有できる。今後は、iPhoneやiPad、フィーチャーフォンにも対応する予定。

「COGOO」は、リレーションズが、電子機器受託開発・製造のイデアシステム、携帯端末向けソフト開発のNCデザイン&コンサルティングとともに開発。年間24万3000台といわれる日本の放置自転車問題や、CO2を排出する自動車などの代替交通手段として、地球環境問題の解決を目指す。環境省の「平成24年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業(競争的資金)」に採択されている。

実証実験は、開発に協力した都市交通計画の専門家である中村文彦教授が在籍する横浜国立大学を皮切りに開始。10台の自転車を設置し、横浜国立大学の学生や教職員を対象に実施する。6月までに90台を追加し、計100台を9か所に設置する。

今後は、首都圏の大学のほか、駐輪場不足や放置自転車の問題を抱えているマンション、レンタサイクル需要がある観光地のホテルやコンビニエンスストア、既存の自転車シェアリングシステムの導入が進んでいない自治体への展開も検討している。

「COGOO」は、「みんなと一緒に(cooperate)未来へ進もう(go)」が名前の由来。「自転車を漕ぐ」にちなんで「コグー」と読む。ロゴデザインは、あらゆる人が仲間になってシェアして使ってもらいたい、そして、明日の地球環境のために貢献していきたいという思いを込めて、自転車で前進する3匹のシロクマをモチーフにした。