塾や習い事など、今の子どもたちって忙しいですよね。もちろん、時間を有効に使うことは大事なのですが、実は、子どもにはボーッとする時間が必要だというのです。

親はボーッとしてる子どもを見ると「ホラ、ボーッとしてないで!」と言ってしまいがち。でも、ちょっと待っても良いかもしれません、というお話です。

スクールの語源は「暇」って知ってましたか?

最近では、小学校に上がる前から水泳や、英語、ピアノなどのお稽古ごとや、塾などに行き始める子どもも、たくさんいるのではないでしょうか。そう考えると今の子どもたちって、かなり多忙な気がします。

忙しい上に、遊び場がなかったり少子化の影響もあるのでしょうか。
実際、子どもが遊んでいる姿を街ではあまり見ない気がします。

そこで、京都大学教授で臨床心理学の先生でもある河合隼雄さんの著書『「子どもと学校」(1992)岩波新書』に面白いことが書いてありましたので、引用させてもらいます。

 

学校を意味するラテン語エコールは、もともと「暇」という意味をもっていた。学問というものは暇なときにするものだ、というよりは、暇こそが真の学問を生み出す、と考えるといいだろう。

『子どもと学校』河合 隼雄 (岩波新書 1992/2/20)

スクールの語源は、そもそも“暇”。

こう考えると、現在の子どもたちには真の学問を生み出す“暇”が、俄然少ない気がします。

うちの子どもも、週4くらいで習い事をしていますので、かなり多忙です。

現代の大人は指導しすぎてしまう!?

また逆に、現代の大人の問題についてもこう書かれています。

大人たち(特に教育者と言われる人たち)は、指導したり、言いきかせたりすることが好き過ぎる。自由な遊びのなかに、子どもの創造活動が現われ、それを通じて子どもたちは自ら癒され、自ら育ってゆくのである。

『子どもと学校』河合 隼雄 (岩波新書 1992/2/20)

子どもに”暇”な時間を与えることで、その暇を子どもが自由に使う。
そうした環境の中で自らが勝手に行う遊びを通じて、勝手に育つ、というのが本来の子どもの姿だというのです。

そして、それこそが真の学問を生む、というのです。

確かに、現代は「教えすぎの大人」と、その教えを請う「忙しい子ども」、という構図があるかもしれません。