監督が語るドキュメンタリー映画『わたしはマララ』

2015.12.7 10:21配信
マララ・ユスフザイとデイヴィス・グッゲンハイム監督(C)2015 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

11日(金)公開される『わたしはマララ』は、昨年、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したパキスタンの少女マララ・ユフスザイの素顔に迫るドキュメンタリー映画で、監督は『不都合な真実』でオスカーを受賞したデイヴィス・グッゲンハイムだ。

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女子は教育を受けてはいけないというタリバン勢力の命令に反して学校に通い続け、頭を撃たれたマララは、奇跡の回復の後、家族とイギリスで暮らしている。グッゲンハイムは、一家に18か月密着し、撮影取材をした。「映画化権を取得したプロデューサーが、デイヴィスという男が監督するからと伝えていたので、僕が彼女の家のベルを押すと、みんな大歓迎してくれたよ。一家は僕を信頼してくれた。僕は彼らのような人を知らなかったし、彼らも僕のような人を知らない。でも、すごくオープンになってくれたんだ」と、グッゲンハイムは初対面の日を振り返る。

自宅や学校はもちろん、グッゲンハイムは、マララがケニヤの難民キャンプを訪れる時にも同行した。「ケニヤの子たちはキリスト教徒。パキスタン人はムスリムだ。あの子たちは、マララが誰かなんて知らない。ムスリムの難民ですら、彼女を知らなかった。でも、彼女が話し始めると、すぐにみんなと心がつながったんだ。そういう時、彼女は最高の幸せを感じる。彼女は、18歳の誕生日にまたケニヤに行ってあの子たちと会いたいといったよ。マララは、そういう子なんだ」

スクールバスで銃撃され、死の境をさまよった上、パキスタンに戻ってきたら殺すと宣告を受けているマララ。そんな彼女が「銃は私の意志を変えない」という堂々のスピーチをするシーンは感動的だ。彼女の苦悩があまり描かれていないという批判も、北米公開時には一部から出たが、グッゲンハイムによると、彼女がどうしても語りたがらなかったらしい。「マララは、学校に行きたいのに行けないほかの少女や難民の少女たちのことを思っているんじゃないかな。今、辛い思いをしている子がたくさんいるのに、不満を言うことはしたくないんだろう。彼女が文句を言う姿を、僕は一度たりとも見なかった。僕らは、くだらないことで文句を言うよね。スープがぬるすぎる、とかね(笑。)僕はそこに美しさを見た。死を間近に体験すると、何が一番大事なのかがわかるのかもしれないね」

『わたしはマララ』
12月11日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー

取材・文:猿渡由紀

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