クレイグ・シュルツ

世界中で愛され続ける“スヌーピー”初の3D映画『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』が日本でもヒットを記録している。本作は原作コミックのテイストを可能な限り忠実に再現しており、原作者のチャールズ・シュルツはすでにこの世を去っているが、彼の息子クレイグ・シュルツが脚本と製作を手がけている。

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1950年から2000年まで連載されたコミック『ピーナッツ』は全世界にファンがおり、スティーヴ・マーティノ監督らフィルムメイカーたちは、原作の愛らしさやメッセージを損なうことなく3DCGで描くために試行錯誤を繰り返した。作者の息子クレイグは脚本を書くにあたり「父のコミックは、子供が読んでも楽しいですし、大人になると深みを感じることができる。あらゆる世代の人が楽しめるものですから、映画でも同様に幅広い層に楽しんでもらえるようにしたいと思いました」と振り返る。「父はよく『コミックさえ読めば私という人間がわかる』と言っていました。作品の中に父の様々な側面が反映されていたんでしょうね」

だからこそ、映画化に際しては大きな責任を感じたようだ。「原作を誰かに渡して『あとはよろしく』というわけにはいきません。この映画を製作する過程で、このコミックが世界中でどれほど愛されているのか、改めて知ることになりました。マティーノ監督と(制作を手がけた)ブルー・スカイ・スタジオのみなさんは心から『ピーナッツ』を愛してくださっていて、私たちが何をする前から才能のある人たちが、この映画のために手をあげてくださいました」。

結果的に完成した映画は、コミックのテイストや構図、メッセージをしっかりと汲み取った上で最新の3DCG技術を駆使した作品に仕上がった。この映画で初めてスヌーピーやチャーリー・ブラウンが動いている場面を観て、シリーズのファンになる若い世代もたくさん出現するだろう。「どれだけ時代が変化しても、“人間”というものはそんなに大きくは変化しないものです。このコミックはこれから100年以上、愛され続けることになるでしょう。ただし、ふたつのことはすでに決めています。ひとつは、私たちはもう新しいコミックを発売することは決してない、ということ。もうひとつは、もし映画を作ることがあるとすれば、この映画と同じ制作会社、スタッフにお願いしたいということです」

ちなみに、本作ではクレイグの息子ブライアン・シュルツも製作と脚本で参加。3世代のコラボレーションが実現している。「実は私の孫が、映画の中で凧をあげる男の声を演じているんです。だから、4世代ですね(笑)」

『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』
12月4日(金) 2D・3D全国ロードショー