さらに使いやすくなった三菱のオールインワン録画テレビ 担当者に開発秘話を聞く

2012.4.12 12:32配信
AV営業統轄部 マーケティンググループ専任の別府 智氏

三菱電機は、ブルーレイディスク(BD)レコーダー機能とハードディスク(HDD)を内蔵したオールインワン録画テレビ「REAL B BHR500」シリーズを3月16日に発売した。2009年10月に初のオールインワン録画テレビを発売して以来、4代目となる。使いやすさにこだわり、代を重ねるごとに進化を続けているオールインワン録画テレビの誕生秘話を、同社のAV営業統轄部 マーケティンググループの別府智専任に聞いた。

●テレビとBDレコーダーが一つに スッキリ設置でき女性に人気

――通常だと、テレビとレコーダーをそれぞれ購入するわけですが、録画テレビだと一台ですまされてしまうのでは、というジレンマはありませんでしたか?

別府 そうですね、最終的にレコーダーを買い足してもらおうと、レコーダーのスペックを落として録画テレビを販売しているメーカーもあります。当社は一台ですむように、レコーダーに搭載している機能、さらに高音質を再現するスピーカーと、惜しみなく技術を盛り込んでいます。録画テレビを買っていただければ、結果的に両方当社製品を買っていただいたのと同じ、という考え方です。録画テレビはニッチな市場なので、他社にマネのできないBDとHDDを内蔵したオールインワン録画テレビで勝てるだろうと思っています。

――テレビの事業部とレコーダーの事業部は別になっている会社が多いと思います。ユーザーのニーズがあっても、組織として録画テレビを開発することはなかなか難しかったのではありませんか。

別府 レコーダーはAV事業のなかでも比較的儲かる事業なので、普通は一緒にしませんね。当社は2007年10月付けで、テレビの製造部とレコーダーの製造部が一緒になり、組織的に録画テレビを開発することが可能になりました。液晶テレビ分野に遅れて参入したこともあり、考え方が柔軟だったことも要因だと思います。

――2009年10月に世界初のBDとHDDを内蔵した録画テレビ「REAL BHR300」シリーズを発売されました。ビデオ内蔵型テレビ(テレビデオ)を使った経験がある人には、待ちに待った製品だったと思います。

別府 テレビとDVD/BDレコーダーを接続していた人のなかには、入力切換になじめなかった人も少なくなかったようです。いま見ている番組が、テレビ放送なのか、録画の再生なのか、わかりにくいですからね。録画テレビにすることで、入力切換ボタンを押すことなく、テレビ視聴、録画番組の再生ができるようになりました。単体のテレビに比べると単価の高い「REAL BHR300」シリーズでしたが、予想以上に好評でした。

――どんな方が購入されていたのでしょうか。

別府 他社に比べると当社のテレビは女性の比率が高いですね。特に主婦の方が多い。購入して一番満足していただけたのが、一台にまとめることで部屋がスッキリした、という点でした。また、接続用のケーブルがなくなったことも貢献しているようです。

――背面のケーブルにはホコリが溜まりやすくて、掃除が大変ですから。主婦ならではの評価ポイントですね。

●オールインワン録画テレビ開発までの道のり こだわりは使いやすさ

――いままでなかった製品を開発するのは、なかなか大変だったと思います。一番苦労された点はどこですか?

別府 デザインですね。金型を新しく起こすと結構な費用が発生してしまうので、最初はこれまで使っていた液晶テレビの金型を使いました。下のスタンド部分にレコーダー機能を入れたのですが、デザイン検討当初は不細工な形になってしまい……。リモコンでテレビ画面の角度を調整するオートターン機構を外すと薄くなるので、外そうかとも思いましたが、なんとかオートターンの新しい機構を開発し、スリムにしました。

――それが2009年に発売した「REAL BHR300」シリーズですね。オートターン機構はブラウン管テレビ時代から搭載していて、いわば御社のテレビのトレードマークです。

別府 「REAL BHR400」シリーズはもっとスッキリさせようと、スタンド部分ではなく、本体にブルーレイ機能を入れました。そのぶんスタンド部分をスタイリッシュに仕上げることができました。

――デザイン以外で苦労された点は?

別府 いろいろありますが……。メンテナンスのしやすさでしょうか。テレビデオは、レコーダーとテレビのチューナーが同じですから、レコーダーが故障するとテレビ部分も回収して修理しなくてはなりませんでした。当社の録画テレビはレコーダーやHDDを外してもテレビを視聴できるようにしています。もちろん、お客様が外すことはできませんが。このため、レコーダーの修理の際にはテレビをお客様の元に残すことができます。

――えっ、そうだったんですか? 録画テレビは「レコーダーが壊れたとき修理が大変だ」と店頭で聞いて躊躇した方もいらっしゃると思いますが、録画テレビに買い替える不安の一つがこれで解消されましたね。

●生活家電っぽさが光る簡単リモコン ストラップホールで首提げも

――「REAL B BHR500」シリーズのリモコンは、白くてAV機器のリモコンっぽくないですね。

別府 リモコンは初代からこだわっています。2006年にそれまで生活家電を担当していた荒木茂(現・リビング・デジタルメディア事業本部家電事業部長)がAV製品を担当する京都製作所の営業部長として赴任してきました。その際に指摘されたのが「リモコンがわかりにくい」ということでした。AV機器畑にいる人間ではなかなか気づかないことだと思います。まずはボタンの名称を「再生」「録画」から「見る」「残す」と、何をするときに使うボタンか、わかるようにすることから始めました。

――ボタンの文字が大きいですね。それとこれまでのリモコンと比べるとフラットになりました。

別府 シートボタン式を採用しています。通常はボタンに文字を印刷していますが、シート式はボタンではなく上にかぶせるシートに印字しているので、ボタンよりも大きな文字を載せることができます。シートの裏面に印字しているので、文字がはげることがありません。さらに薄く、乾電池を含む重さは約100gととても軽いので、持ちやすいです。

――軽いですね。裏に穴がありますが、これは……?

別府 ストラップホールです。もう10年ほど前からリモコンにストラップホールを設けています。これは身体の不自由な方、ご年配の方からの要望が多く、採用したものです。ネックストラップを通して首から提げることができます。これで、リモコンを毎回探すことがなくなります。

●使いやすさをトコトン追求 音質にも妥協なし

――オートターンのように、使ってみてその便利さに気づくこだわりの機能があちらこちらにあります。例えば、前面トレイはディスクの出し入れが楽にできます。

別府 側面にドライブを設置するサイド式は、壁からテレビを20cmくらい離す必要があります。そのため、置き場所を選ばないよう、前面に設置しました。またスロット式ではなくトレイ式を採用し、大事なディスクにキズや汚れがつくことがありません。

――録画、ダビング機能も充実しています。DVDに録画・ダビングできない録画テレビが多いなかで、DVDに対応している点は、まだ安いDVDにダビングしたい人にはありがたい機能です。

別府 DVDへの直接録画はできませんが、HDDに録画した番組をDVDへダビングすることができます。DVDはDVD-R以外にもDVD-RW/-R DLと種類がたくさんありますが、これらに対応しています。レコーダーの機能を全部入れよう、というのがコンセプトなので、できるだけ制限をかけないようにしています。さらに、「REAL B BHR500」シリーズは2番組の同時録画中にBDソフトの再生ができます。

――液晶テレビは薄型化の影響で、スピーカーが小型化して、音質面が弱くなりがちですが、そこはどうでしょうか?

別府 ピュア・オーディオ用スピーカー「DIATONE(ダイヤトーン)」の技術を元にした「DIATONE サラウンド2.0」を内蔵しています。広がりのある音を再現し、2chのテレビ番組もサラウンド感覚でお楽しみいただけます。また、スピーカーを前面に設置して、音が聞き取りやすいようにしました。

――使いやすさ、録画機能、さらに音質にもこだわっていることがよくわかりました。ありがとうございました。(文中敬称略)

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