また、「メイドトレイン」を走らせた実際のエピソードから、西武池袋線がメイド服で現れるなど、普段の制服とは違う路線の衣装が見られる場面も。それにしても、西武池袋線ってチャレンジ精神旺盛なんですね。

 

劇中では、西武池袋線の会長を崇拝する歌、東武東上線の秩父鉄道への愛の歌など、名曲が盛りだくさん。2008年に開業した比較的新しい副都心線は、イマドキの若者らしく、軽快なラップを披露。歌にも個性が溢れる!

観た後は今までと鉄道路線の見方が変わる!?

今まで特に鉄道路線を気にかけていなかったキャストのみなさんも、演じることによって各路線が気になるようになったそう。

永山さんは開演前の取材で、「今日も高崎線がイノシシをひいたというニュースを聞いて、(高崎線役の)直也大丈夫かな?って思って。それじゃなくてもメンタル弱いのにって不安になるくらい」と言っていたり、Kimeruさんは「路線だけじゃなくてデパートとか西武グループ全部を愛し始めてる(笑)」と、日常的に路線の気持ちになっているみたい!?

また、残念ながら関東の路線で痴漢率No.1と言われてしまう埼京線を演じる豊永さんは、「漠然とウワサは頭にあったけれど、自分がやるとなるとこんなに傷つくんだ……あんまり言わないようにしよう、と思いました。今は埼京線に乗ると、お年寄りに席を譲るとか、秩序を守ろうと謎の正義感にかられる」と、新たな気持ちが芽生えたようです。

キャストからも「今まで身近にあったのに見方が変わる!」と声が上がったように、これを観たら、各路線が気になりだしてしまうはず。

身近な存在だったのに、その関係性について今まで気に留めていなかった鉄道路線たち。こんなにも個性豊かで面白いんだ!と実感できたのは、やっぱり今回のステージがわかりやすくて、ステージ上の路線たちが魅力的にみえたから。

永山さんが、「これから何年も続けていける第一歩となれば」と願いを語ったように、もっともっといろいろな路線を見てみたい! そう思わせる楽しい余韻の残るステージとなっていました。今回の公演のBlu-ray&DVDは来年2016年3月に発売予定。

楽しく笑えてちょっとだけ鉄道路線の知識が身についた気になるミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』。列車だけでなく、路線マニアを生み出すかも?

ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』
脚本・演出・作詞:川尻恵太(SUGARBOY)
音楽:あらいふとし+ミヤジマジュン 原作:『青春鉄道(あおはるてつどう)』
(KADOKAWA / コミックウォーカー連載中)
原作者:青春(あおはる)
出演:東海道新幹線:永山たかし 山陽新幹線:滝川英治 西武池袋線:Kimeru
有楽町線:阿部よしつぐ 秩父鉄道:森山栄治 高崎線:郷本直也 埼京線:豊永利行
東海道本線:鯨井康介 京浜東北線:高橋優太 東武東上線:高崎翔太
りんかい線:山本一慶 宇都宮線:稲垣成弥 副都心線:章平/
山手線日替わりゲスト:髙木俊 碕理人 佐藤永典 早乙女じょうじ 瀬戸祐介 鎌苅健太 
※Blu-ray&DVD 2016年3月25日(金)発売予定