報知新聞社制定の「第40回報知映画賞」の表彰式が16日、東京都内で行われ、主演男優賞を受賞した佐藤浩市、主演女優賞の樹木希林、助演男優賞の本木雅弘、助演女優賞の吉田羊、新人賞の広瀬すず、藤野涼子ほかが出席した。
『あん』の演技を評価された樹木は、製作費が非常に少なかったことに触れ、「55年の女優人生でも、ギャラで足を出したのはこれが初めて」と苦笑い。一方で、「河瀨(直美)監督の“ゴリ押し”でもってカンヌ(映画祭)に行きました。何が良かったって、(ある視点部門の)オープニング(作品)に選ばれて世界のバイヤーが見てくれたこと」と、この作品が世界中で上映されるきっかけになったことを喜んだ。
そんな経緯で「この映画が、だんだん独り歩きして、私がイタリア語やポルトガル語を吹き替えでしゃべってる。それがまた上手なのよ」と笑いを誘いつつ「『わりかしいい映画だったんじゃないの?』って言ってたら、こうして賞をいただけることになりました」と笑顔を見せた。
また、助演男優賞には『日本のいちばん長い日』で昭和天皇役を好演した樹木の義理の息子・本木雅弘が受賞。史上初の“親子同時受賞”となった。本木は、「こんな賞をいただき内心有頂天です」と喜びのスピーチ。「やはり誰かに認められるというのは救いですし、何よりの栄養です。大いなる舞台を設定して、コントロールしてくださった原田(眞人)監督、堤(幸彦)監督にお礼を申し上げます」と感謝を述べた。
受賞については「昭和天皇、『天空の蜂』の原発設計士という役どころがよかったというのが一番の要因かな」と謙遜しながら「名優の方々が受賞した助演男優賞は、役者として認められる、いぶし銀に輝くような憧れがずっとありました」とコメント。
「役者になって35年になりますが一度も自信が持てたことはありません。樹木さんとも『世の中の8割がたの人が適職に就けていないのでないか』と話しましたが、自分でも“向いてないんじゃないか”と現場で思う時間が長くありました。しかし、こうして褒めていただくと、続けていこうという気持ちになりました」と受賞の思いをかみしめた。
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