なぜ、妻が“あたりまえにやっている事”がいいの?

書籍『はたらく人のコンディショニング辞典』によると、家事は脳の司令塔でもある「前頭葉」を鍛えるとのこと。前頭葉の役割は、外から得た情報に対し、蓄えられた情報と組み合わせて、思考・行動を組み立て、その判断を運動野を介して命令します。こと家事に関すると、この前頭葉を常に使い続けていることになるのです。

例えば料理。あなたは料理を始める際にどのようなことを考えますか?
まず、自宅の冷蔵庫に何が入っているかを思い出しますよね。その情報を軸にメニューを考えるかと思いますが、そこには冷蔵庫の中にある食材の種類・数の記憶力が必要です。また、ご自身でできるメニューに対する記憶も必要ですよね。その後、足りたいものを買い足すために実際に行動しなければなりません。
これが一品を作る時の流れとなるので、複数のメニューを作る際には、これをさらに複雑に行うこととなります。

さらには、料理を作りながら片付けのことを考えている人もいるでしょう。
簡単なものは調理しながら洗い流し、脂ものを最後にする。また、テーブルセッティングや食器の種類を考えている人も。ここで記述しきれないほど、頭はフル回転で動いています。

ここで、同書に紹介されているある調査結果を見てみましょう。

台湾の国家衛生研究所の調査によると、週に5回以上料理する男性は、料理をしない男性に比べて20%以上も死亡率が下がる傾向があるのです。

これは画期的な報告ですね。外食ではなく自炊をすることで栄養バランスが良くなったからではなく(バランス良い食事はパートナーに作ってもらうことも可能なので)、この実験の目的は、家事によって脳が活性化され、それによって寿命が延びるかどうか。
その結果、料理をする男性は死亡率が低くなるという傾向をつかんだのです。

この調査結果をもとに、旦那さんに家事、特に料理をすることのメリットを伝えてみてはいかがでしょう。
特に年末年始を忙しくなる時期ですので、うまく旦那さんを家事に巻き込む時の誘い文句ともなりそうですね。

「炊事・洗濯や部屋の片付け、ものを分類して処分するという地味で面倒と感じる作業をさっさと片付けられるのは、脳がタフということ」(同書より)

確かにこういった作業を週に5日もやっていると、脳を刺激し続けていることになりますね。

さて、今年の年末年始は旦那さんにしっかりと働いてもらいましょうか。