百段鳥居の階段下でキツネのポーズをとる尾上菊之助

 国立劇場平成28年初春歌舞伎公演 河竹黙阿弥生誕二百年 通し狂言「小春穏沖津白浪 -小狐礼三-」に出演する歌舞伎俳優の尾上菊之助が18日、東京都内、赤坂の日枝神社で安全祈願した。

 「小春穏沖津白浪」の大詰めでは日枝神社と共に建立された山王稲荷鳥居前を舞台に、菊之助演じる小狐礼三を中心とした大立回りが繰り広げられる。百段鳥居の階段下で写真撮影が行われ、菊之助は進んで手でキツネのポーズを取るなどして報道陣を和ませた。

 初春公演に向けて「初日には鏡開きでお酒を振る舞ったり、獅子舞も例年来ます。華やかで分かりやすいし、お芝居とともに正月気分を味わっていただける演目になっています。舞台一面に鳥居を敷き詰めて大立回りをしたいと思っています」と見どころを語った。

 健康祈願では「気持ちをあらためて、スタッフを含めてけがなく務められるよう、来年の1年が今年以上に素晴らしい1年になるよう心に誓いました」と明かした。今年1年を漢字一文字で表すと「世の中いろいろなことがありましたが、私は『幸』でした」と笑顔を見せた。

 また、先日のフィギュアスケート、グランプリファイナルの羽生結弦選手の演技を振り返り「周りの人が悪くてトップを取るのではなく、周りの人もベストを尽くした上でトップを取るというのに感動し、大変刺激になりました」と感想を語った。

 さらに「スポーツと芸術は違いますが、同じ人間がやっていることなので刺激を受けるところがあります」と語った。

 初春公演は来年1月3日から27日まで国立劇場 大劇場で上演。