<2015年 年末版>ロボット掃除機頂上対決! リビングダイニングで実力を比較

2015.12.18 22:10配信
話題の3モデルでテストを実施

毎日の掃除を自動で行ってくれるロボット掃除機。ハイエンドモデルは10万円越えの高級家電だが、その便利さを体験すると手放せなくなるほど魅力的なアイテムだ。今年はダイソンからもロボット掃除機が登場し、ますますロボット掃除機に注目が集まる。そこで話題のロボット掃除機3モデルを一堂に集め、実力テストを実施した。

●スペックではわからない実力差を実際のリビングでテスト

今回テストに使用したのは、ロボット掃除機の代名詞、アイロボット「ルンバ 980」と、パナソニック「ルーロ MC-RS1」、そしてサイクロン掃除機の代名詞であるダイソンの「Dyson 360 Eye」の3機種。リビングダイニングに、疑似ゴミをまいてテストした。

掃除能力のテストでは、ゴミに見立てた疑似ゴミをそれぞれの場所に色分けしてまいた。青いカラーサンドを壁ぎわ、窓ぎわに。赤いカラーサンドをテーブル、ソファの下に。米つぶを想定したホワイトボレー(鳥のえさ)をテーブルの下に、黄色のカラーサンド、髪の毛に見立てた赤い糸、軽い大きめのゴミを想定してスモークチップスをカーペットの上にまいた。

●一度の掃除でどの程度きれいにできるのか

ルンバシリーズの最新機種「ルンバ 980」は、ブラシや吸引方式は800シリーズと同じ。進化した点はカメラと各種センサーを搭載し、「マッピング型」と呼ばれる走行方式を採用したのが最大の特長だ。カメラを使って部屋の地図を作製し、広い範囲を効率よく掃除する。駆動の様子を見ていると、ランダムナビゲーションを採用していた800シリーズよりもとにかくスピーディだ。

カーペットやラグに乗ると自動的に吸引力を「700シリーズ」の約10倍に引き上げる「カーペットブースト」機能も搭載する。スペック上では約3時間の充電で最大2時間の稼働が可能で、稼働面積は最大112畳。一軒まるごとのお掃除が可能だ。専用のアプリをインストールすることでスマホやタブレットからの操作にも対応した。

パナソニック「ルーロ MC-RS1」は、基本的には「ランダム走行」と壁ぎわを掃除する「ラウンド走行」を組み合わせたランダムナビゲーション。直径約1.5mの範囲を開始位置から渦巻き状に掃除する「スポットモード」や、掃除したい場所からはじめる「エアメモリー」機能などを搭載する。同社のキャニスター型掃除機のヘッドにも搭載する「ハウスダスト発見センサー」で念入りに掃除する場所を見分けるなど全体的にバランスの取れた作りだ。

充電時間は約3時間、連続使用時間は約100分で稼働面積は約30畳。ダストボックスが小さいので、ゴミの量が多いとバッテリー切れの前にダストボックスがいっぱいになって停止してしまう。バッテリーが切れると自動的に充電台まで戻って充電ができるが、ダストボックスがいっぱいになると人がゴミを捨てないといけない。小さいダストボックスだと外出時に誰もいない部屋を掃除させる場合、心配だ。

ダイソン「Dyson 360 Eye」は、発表時から「マッピング型」による駆動が話題の一台。その名の通り、上部に取り付けられたカメラで360°のパノラマビューを作成。マッピングと位置確認を同時に行って、次の掃除箇所を判断していく。また、“サイクロンのダイソン”らしく、強力な吸引力が変わらないことがアピールされているが、約2時間45分の充電で45分間の駆動。バッテリーがなくなると充電ドックに戻って再度約2時間45分かけてフル充電し、マッピングで区切られた次のエリアの掃除に取りかかるというしくみだ。

また、8個のサイクロンにより遠心力でゴミを分離するため、本体はサイクロンの分、高さが12cmとロボット掃除機としてはかなり背が高い。そのためソファの下などは入り込みにくい。ただし横幅は23cm×24cmと小さめで、イスの下など狭い場所には入りやすい。

●ブラシと吸引力、ダストボックスの容量の違い

「ルンバ 980」のブラシは、800シリーズから採用されたゴム製で凹凸のあるふたつの回転ローラー。よくある掃除機のブラシと違って、毛や綿ゴミがまったくからまず、手入れの手間がほとんどない。ローラー内側にある吸引口は11cmと今回テストした3機種の中では最も大きく、ダントツに大きなダストボックスと合わせて使い勝手がいい。吸引力も強力で、サイドブラシと合わせてじゅうたんもフローリングもすっきり掃除できる。

「ルーロ MC-RS1」のブラシは、パナソニックのキャニスター型で採用されているブラシに似たつくりでブラシの長さは約7.5cm。ブラシの毛はそれほど硬くないので、フローリングや畳にも安心だ。吸引口は4.5cmと小さめだが、ふたつの長いサイドブラシの動きがよく、吸引口にうまくゴミを集めてくれる。ただしダストボックスの容量が0.1Lと小さいのが難点で、基本的には毎日ゴミ捨てが必要。フローリングは見た目十分キレイになるが、じゅうたんはややパワー不足だ。毛がからまるとブラシの手入れも必要なので、ペットのいる家庭にはあまり向かない。

ダイソン「Dyson 360 Eye」は毛が硬めのナイロンブラシで構成した「カーボンファイバーブラシ」を搭載。本体の大きさから比べるとブラシは長く、約20cmあるが、吸引口は2cmほど。ダイソンのキャニスター型サイクロン掃除機のクリーナーヘッドをコンパクトにしたようなイメージだ。

ダストボックスは0.33L。ダイソンのキャニスター型やコードレスのサイクロンではワンタッチでゴミ捨てができるタイプが多いが、「Dyson 360 Eye」は両手で中央の本体を取り出してダストボックスを回転させて取り外し、ゴミ捨てを行う。じゅうたん上のパワーはさすがで、入り込んだゴミや綿ゴミまで強力に吸い取った。

●カメラ搭載で気になる「暗闇性能」

「ルンバ 980」や「Dyson 360 Eye」にカメラが搭載されたことで話題になったのが、カメラの性能。夜間の電気を消した部屋など暗い場所ではカメラが機能せず掃除できないのではないか、という点だ。そこで、真っ暗な部屋で3機種をテスト。どのような動きをするか見てみたのが以下の動画だ。動画はナイトショット(赤外線撮影)で撮影しているためある程度明るく見えるが、実際は真っ暗闇である。

赤外線カメラで撮影することで、普段わからないカメラの動きがむしろよくわかる。どの機種も意外に真っ暗闇でもある程度掃除できた。壁に当たる強さや、角を感知する様子もさほど差は感じられない。特に「ルンバ 980」はほとんど差がなく掃除できた。「Dyson 360 Eye」はカメラがうまく働かずマッピングできないためか、明るい場所で駆動させた時よりも掃除できていないエリアがあった。

違いが顕著に表れたのが充電台に自動で戻る時だ。「ルンバ 980」は毎回戻れたが、「ルーロ MC-RS1」はまれに戻れなかった。一方「Dyson 360 Eye」はどうしても戻れなかった。当然明るければきちんと充電ドックに戻るのだが、充電ドックの格子マークで位置を把握しているため、最後の微調整が利かないようだ。薄暗い程度でも充電ドックに戻れないことがあったので、タイマーで駆動させる場合は夕方ではなく明るい時間帯にした方がいいだろう。

●スマホに対応した「ルンバ 980」と「Dyson 360 Eye」

今回テストした「ルンバ 980」と「Dyson 360 Eye」はスマホに対応している。アプリを使ってスケジュールを設定したり、掃除の開始・停止の指示を出したりできる。どちらのアプリも使い勝手は似ているが、最初の設定は意外に難しいので余裕を持ってトライしたい。

実際に使い始めるとかなり便利で、エラーの通知などもスマホで確認できる。ただし、カメラを搭載したと言っても駆動に使うだけ。カメラで室内の様子を見るような機能はどちらも搭載していない。

●掃除能力テストでわかった本当の使い勝手

各機種のテスト結果は表の通り。ポイントごとにゴミの種類や色を変えているので、取ったゴミを確認すればどこのゴミを取ったか一目で分かる。「ルンバ 980」は、壁ぎわや窓ぎわにまいた青いカラーサンド、テーブル、ソファの下の赤いカラーサンド、カーペットの上の黄色のカラーサンドとまんべんなく取った。カーペットに絡みついて取りにくい糸も、粒の大きいゴミも取れただけではなく、テスト用にまいていない本物の綿ゴミまでも取ってきた。

ランダムナビゲーションではなくなったことで取り残しの心配もあったが、総量で見ると半年前に「800シリーズ」を試した時と比較してもより多くのゴミが取れている。動作も効率のよい動きで広い範囲も安心してまかせられる。今回はブラシに糸が絡まなかったが、髪の毛が絡まった場合でもブラシを外せば簡単に取り除けるのも特筆点だ。

「ルーロ MC-RS1」は、「ルンバ 980」と比べるとダストボックスが小さいため、取ったゴミの量は少ないが、3色のカラーサンドをまんべんなくキャッチした。ただ、赤い糸はブラシに絡みつき、取り除くのには手間がかかった。

動きはていねいで、フローリングの壁ぎわなどは非常にキレイに仕上がるのだが、意外にもイスの下など入り込まない場所が多かった。エラーが少なく家具への当たりもソフトなので安心して使えるが、全体をキレイに仕上げるのに時間がかかる。フローリングが主な部屋で毎日こまめに使う分には問題ないが、もう少しダストボックスの大きなタイプがあれば満足度はもっと上がりそうだ。

期待の「Dyson 360 Eye」は確かに吸引力が高く、じゅうたん上のゴミは非常によく取れるのだが、一回の駆動時間が短いことが影響したのか、意外にもゴミの全体量はそれほど取れていなかった。特に、壁ぎわ、窓ぎわの青いカラーサンドがほかの2モデルと比べて少なかった。

バッテリーが切れたら充電台に戻り、充電して掃除を再開するが、充電に約2時間45分かかる。複数の部屋を掃除させるとなると丸一日かかりそうだ。また、充電を繰り返すのでバッテリーの消耗が気になるところだ。

こうしてハイエンドの3機種を比べると、ロボット掃除機の場合は、なにかひとつ抜きんでているというよりも全体のバランスが大切だとわかる。その面で「ルンバ980」の満足度が非常に高い。広い範囲を十分に掃除でき、充電台まで毎日きちんと戻る。まるでガスや水道のようなインフラのひとつのようだ。

テストで非力に見えた「ルーロ MC-RS1」も、実際使うとエラーは少なく便利に感じられる。一方で「Dyson 360 Eye」は吸引力だけは間違いないのだが、1回で掃除できる範囲が狭かったり、2回のテストでは充電が完了するまで動かなかったり、駆動音が大きかったりと、全体的な使い勝手の悪さが目立ってしまった。今後のバランスがよくなるようなアップデートに期待したい。

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