朝夏まなと  撮影:奥村達也 朝夏まなと  撮影:奥村達也

2016年の幕開けを飾る宙組宝塚大劇場公演『Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』『HOT EYES!!』。稽古中の宙組トップスター・朝夏まなとに、公演への意気込みや2016年の抱負を聞いた。

宝塚歌劇宙組 チケット情報

ウィリアム・シェイクスピア没後400年に上演するミュージカル『Shakespeare』では、シェイクスピア役を18歳から演じる朝夏。「イギリスの田舎で育ち森の中で感じたことが『夏の夜の夢』に活かされるなど、彼の創作の原点がきちんと描かれています」。本革の深紅の衣装に象徴される彼の強い意志も大切に、「激しく野性的な面をワイルドな髪型でも出しながら、純粋な内面とのギャップを見せたい。私もこの仕事をやるうえで、子ども心を忘れず自分を解放する部分をもっていたいと思うのですが、シェイクスピアは無邪気そのものです」と笑う。

有名な作品の劇中劇も登場。当時の芝居にならって男性ならぬ男役が女性を演じたりも。「芝居好きというところが自分たちと重なりとても活気があります。また妻アン・ハサウェイとの夫婦愛がしっかり描かれ心温まる作品になっています」。真風涼帆が演じるジョージ・ケアリーも物語のカギに。「ジョージはパトロンで私を“欲”に引っ張り込むキャラクター。真風と私はカラーが全然違うので、作品の幅が広がるのを感じて面白いです。彼女とは深い話もできるし頼もしい」。トップ娘役・実咲凜音も含め、今宙組は絶妙なバランスの組に成長している。

朝夏の大きな瞳をテーマにしたショー『HOT EYES!!』は、名曲『黒い瞳』に乗せたタンゴで幕を開ける。「華やかで格好いいオープニングです。ノンストップのショーで宙組みんなの目がキラキラしています」。注目の“全場大階段”の演出については、「稽古場には階段がないのでラインを引くなど大変ですが(笑)、すごく立体的に見えるんだろうなと楽しみです」。

宙組トップに就任して約1年。来年夏には大作『エリザベート-愛と死の輪舞-』が控えている。「まさか自分が!と驚きましたが、誰もが憧れる作品。そこへつなげるためにも今の宙組の勢いをどんどんアップさせてゆきたい」。トップになって周りへの感謝の気持ちがより増したと話す朝夏。「質の高い作品を届けたい」と組を引っ張り、ますます輝きを放つ1年となるだろう。

公演は宝塚大劇場にて2016年1月1日(金)から2月1日(月)まで上演。チケットは発売中。東京宝塚劇場公演は2月19日(金)から3月27日(日)まで。1月17日(日)より一般発売が開始される。

取材・文:小野寺亜紀