ストレイト・アウタ・コンプトン (C)2015 UNIVERSAL STUDIOS

「ぴあ」調査による2015年12月18日、19日のぴあ映画初日満足度ランキングは、伝説のラップ・グループ“N.W.A.”の知られざる物語を描いた伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』がトップに輝いた。2位に社会現象を巻き起こした大人気アニメの劇場版第2弾『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』、3位に報道写真誌『DAYS JAPAN』の元編集長でフォトジャーナリスト・広河隆一の活動を追ったドキュメンタリー『広河隆一 人間の戦場』が入った。

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1位の『ストレイト・アウタ・コンプトン』は、アメリカ屈指の危険地帯とされるカリフォルニア州コンプトンで1986年に結成され、暴力ではなく“ラップ”で権力者に立ち向かったヒップホップ・グループ、N.W.A.の成功と挫折を描いたドラマ。出口調査では「目標に向かっていくグループものとしての面白さや、家族愛、社会的なメッセージ要素もあり、様々な観点から観ることができた」「仲間や友情というものと真っ直ぐに向き合っている姿に熱くなった」「ラップ自体が素晴らしかった」といった声があがった。

映画のタイトルの基になったN.W.A.のデビューアルバム『ストレイト・アウタ・コンプトン』は、理不尽な社会への反骨精神を等身大で表現し、当時の若者を中心に大ヒットを記録。黒人差別問題への反対運動を加速させ、N.W.A.は警察やFBIからも目を付けられる危険なグループになっていった。社会現象にまで発展させた彼らの姿に、観客は「彼らがラップの表現で理不尽な権力者たちに立ち向かう姿がよかった」「ラップで訴え、民意を動かす力に圧巻された」「今なお変わらないアメリカの現実に胸が痛い」などの感想を寄せた。

また当時を知るファンからは、「N.W.A.のメンバーであるイージー・Eへのオマージュが感じられた」「ロサンゼルスのサンセットストリートに今は無くなってしまったタワーレコードが再現されるなど、80年代のコンプトンが反映されていてよかった」「音楽も良かったし、衣装の細かい部分から当時が再現されていてかっこよかった」などの声が寄せられた。

(本ランキングは、12/18(金)、19(土)に公開された新作映画10本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)

『ストレイト・アウタ・コンプトン』
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