UPQの中澤優子CEO代表取締役

2015年8月6日に女性社長ほぼ一人で7カテゴリー、24製品の企画、製造、販売を手がけて脚光を浴びたUPQ(アップ・キュー)。SIMフリースマホ市場に参入してからまだ4か月しかたっていないが、第二弾モデルとなる「UPQ Phone A01X」を12月21日に発売した。同社の中澤優子CEO代表取締役は「単に増産するだけではつまらない」と話す。

●新たにカラバリを追加、ストレージも16GBに

「UPQ Phone A01X」の税別価格は1万4800円。8月に発売した4.5インチの液晶ディスプレイを搭載する「UPQ Phone A01」が品薄になってきたため、増産するか、生産を終了するか悩んだ結果、ユーザーの声を反映させてカラーバリエーションを増やしたり、内蔵ストレージを増強したりする決断をした。

具体的には、背面がUPQブランドの特徴的な「ブルー・バイ・グリーン」、表がホワイトの「ホワイトBG」を追加。従来からある背面が「ブラック」、「ブルー・バイ・グリーン」、「ホワイト」の3色に、新しく1色を加えた。

内蔵ストレージを8GBから16GBに増強したほか、メインの3キーの左側にバックキーを配置するなど細かい点も変更した。

●売れ行きはリアルとウェブで半々

UPQは当初、「DMM.make Store」やカルチュア・コンビニエンス・クラブの「二子玉川 蔦屋家電 ヤフー店」などオンライン販売が中心だったが、10月8日から「ビックカメラ」のグループ全店、12月18日からヤマダ電機の東京駅・八重洲の「Concept LABI TOKYO」や池袋の「LABI1日本総本店」、新宿の「LABI新宿東口館」など、首都圏を中心にリアル店舗の販売チャネルを広げた。

家電量販店だけでなく、期間限定で渋谷パルコにポップアップストアをオープンするなど、同社が掲げる「生活にアクセントと遊び心を。」というコンセプトと合致するなら販売する場所にとらわれない。

ウェブとリアルの違いについて中澤CEOは「ウェブはガジェットに明るい方が多く、厳しい意見がある一方、アドバイスや応援などコミュニケーションが深められる。私が作った製品であることが分かるので、顔の見えるコミュニケーションがとれる」と、大手家電メーカーとは違うウェブならではのコミュニケーションがとれるという。

リアル店舗では、たとえブランドが浸透していなくても「このカメラ小さくてかわいい」など、感性に響けば実際に製品を手に取ってくれる感覚が新鮮だったという。

●ラインアップは33製品に

8月時点では7カテゴリ―、24製品だったラインアップは、現在、7カテゴリー、33製品までに増えた。12月21日は、アクションスポーツカメラ「Q-camera ACX1」の純正アクセサリーとして、マリンスポーツの撮影で活躍する「防水ハウジング」(税別価格1220円)、水に浮く「フローティンググリップ」(同990円)、三つの吸盤でスノーボードにカメラを固定できる「アルミサクションカップ」(同990円)の三つも同時に発売した。

「UPQ Phone A01Xの生産台数は、A01の2.5倍」と語る中澤CEO。誰でもどこでも手に入れられる普及モデルの販売戦略は採らず、その店に行かないと入手できない希少性を打ち出すことでブランドの維持やリアル店舗への集客を狙うUPQだが、ユーザーニーズは確実に広がりを見せている。(BCNランキング 細田立圭志)