もう12月もあとわずか。仕事納めに向けて、オフィスでの仕事に追われている人も少なくないかもしれません。
最近「なんだか肩こりだけじゃなくて顎も痛い?」なんて感じたことはありませんか?

それはあなたが、仕事中にくいしばっている証拠です。

くいしばり癖は、さまざまな不定愁訴を引き起こします。そして、なんと日本人の内60%の人が、頑張る時には「くいしばり癖」になっているというデータもあります。男女比でいうと、女性は男性の4倍ほどだといわれています。

そこで今回は、そのくいしばりが身体に引き起こす怖い症状と、くいしばり癖を治す方法をご紹介しましょう。

くいしばりが引き起こす体調不良

くいしばりの後、顎の骨や頬の筋肉が痛い、といった感覚を経験したことのある人は要注意です。

くいしばりで歯に300~900kgもの力が加わる!?

くいしばりは、まず歯や歯茎にダメージを与えます。くいしばりによって、歯に亀裂が入って、神経が死んでしまうことさえあるのです。それだけ大きな負荷が顎の骨にかかっています。もちろん、そのような大きな力を加えるために、顎周辺筋肉にも余計な負担がかかっています。

ちなみに、睡眠時の歯ぎしりでは300~900kgもの力がかかっていることもあるのだそうです。同じ重さのバーベルを持ち上げるなんて、普通は到底できませんよね。

それを顎の筋肉は、側頭部や首や肩周辺筋肉にも手伝ってもらって、くいしばりでかかる力に持ちこたえています。その結果、側頭部、首、肩、頬周辺の表情筋まで筋肉痛になります。

この肩から首、頭全体、顔面にかけての筋肉痛を、「何だかわからない”締め付け”や”こわばり”や”違和感”」といった感じで、なんとなく不快に感じているのです。

くいしばりは自律神経を乱す?

このように顎に力がかかりっぱなしで、肩から側頭部、顔面等の顎周辺筋肉が緊張状態のままだと、自律神経の乱れも生じてしまいます。

自律神経が乱れると、睡眠障害を始め、血流障害、冷えや肩こり、頭痛etc……といった様々な体調不良が現れてきます。これらを不定愁訴といいます。

不定愁訴とは、医学的原因のはっきりしない「なんとなく気分が悪い」という症状全般の総称です。
不定愁訴を医師に相談しても、「ストレスや年齢的なものが原因ではないか?」といった原因のはっきりしない診断になってしまいます。だから我慢している人も多いことでしょう。

そして、病院で不定愁訴を医師に相談する患者の男女の比率は、男性よりも女性の方が圧倒的に多いそうです。それは、女性の方が自律神経やホルモンバランスの影響を受けやすいからだといわれています。