土居聖真(鹿島アントラーズ) (C)J.LEAGUE

13日間で3度目の対戦である。『ACL 2019』ラウンド16に続く一戦は鹿島アントラーズにとっても、サンフレッチェ広島にとっても難しい戦いとなるだろう。

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6月18日・茨城県立カシマサッカースタジアムでの初戦は、土居聖真の力強いドリブルからゴールが生まれた。24分、ハーフウェイラインでボールを受けた土居は徐々にスピードアップし、ペナルティエリアに侵入。DFひとりを振り切り、クロスを上げるともうひとりのDFの足に当りながらもゴール前の絶妙なチャンスボールに。土居のクロスをリーグ戦5試合で3発と調子を上げてきたセルジーニョがヘッドでズバリ。その後もCBチョン・スンヒョン&犬飼智也、GKクォン・スンテが集中した守備を見せて、広島をシャットアウト。鹿島らしい隙を見せない戦いぶりで先勝した。

続く6月25日・広島広域公園陸上競技場での第2節は荒れた展開に。試合開始早々4分にチョンが負傷交代と鹿島をアクシデントが襲う。試合は2点差以上の勝利が義務付けられた広島のペースで進むも、33分にクロスのこぼれ球に土居が右足を振り抜き、先制。広島は後半にFWパトリックを投入し、4-4-2へシステム変更。66分にパトリックのヘッドで追いつくと、6分後にはパトリックのヘディングをクォンがセーブするも、こぼれ球から再度攻撃を作り直しDF佐々木翔が蹴り込んで逆転。74分にハーフウェイから背後に走り込んだ土居をGK中林洋次がスライディングで倒し、一発レッド。80分にパトリックがペナルティエリアで倒されるも、ノーファウル。82分にはMF柏好文のクロスをパトリックが押し込むも、柏のシミュレーションが取られてノーゴール。89分にはコーナーキックにGK林卓人も攻撃参加するもカウンターで万事休す、土居が無人のゴールにロングシュートを放ち2-2。95分にパトリックがPKを決めて3-2とするも後の祭り。アウェイゴールの差で鹿島が『ACL』準々決勝進出を決めたのだった。

勝った大岩剛監督は薄氷を踏む勝利にも「次に進めることが、一番評価できるところ。試合の中で様々なアクシデントがあった。改善すべきところを洗い出して、次のJリーグに向けて切り替えていきたい」と淡々と語り、負けた城福浩監督は「選手はよくがんばってくれた。持てる力を発揮してくれたし、次のラウンドへ進む執念を見せてくれた。冷静に受け入れることのできない厳しい試合だったが、これを黙って受け入れなければいけないのが、サッカーの世界なのかもしれない」とうな垂れた。

広島がアジアの借りをJで返すのか、鹿島が返り討ちにするのか。『明治安田J1』第17節・鹿島×広島は6月30日(日)・カシマスタジアムにてキックオフ。チケット発売中。