炭火焼 なかはら 撮影:桑原克典(東京フォト工芸)

とどまるところを知らない「肉ブーム」。『うまい肉』でも、数々の肉記事を展開してきました。

ではこれからの「肉シーン」はどうなっていくのか? 今回は<肉マイスター>として肉業界に精通する田辺晋太郎さんが、2016年の「肉トレンド」を大胆予測!

フォトギャラリー【写真】2016年注目店はここだ! 「絶品肉」画像ギャラリー
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  • 炭火焼 なかはら  撮影:桑原克典(東京フォト工芸)
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肉価格の上昇が止まらない!

近年の肉ブームは、「赤身・塊・熟成」という三本の矢で構成される「ニクノミクス」により、爆発的な肉への欲求が市場を席巻した。

今までA5ランクとA3ランクの取引価格には、れっきとした差があった。

しかし、和牛全体の数が少なくなってきて、仔牛の取引価格が70万円を超えることが当たり前になってきていることも起因しつつ、むしろあまりサシが入っていない赤身肉が好まれる傾向もあり、A3の値段が急騰。A5との差が僅差になり、和牛・国産牛の値段が全体的に激しく上昇している。

また同時に輸入牛と国産牛の値段の差もどんどん縮まり、全体的に高止まっているのが現在の肉マーケットだ。

そんな中、お肉の流行としては、「赤身肉のさらなる波」「霜降りへの回帰」というのが2016年により明確に見えてくるだろう。

赤身ブームは終わらず、あの「肉山」が出店ラッシュ!

まず「赤身肉のさらなる波」。赤身肉ブームの中心的立場にあり、今や予約が半年待ちと社会現象にもなった吉祥寺の名店「肉山」が、2016年、本格的に地方進出を開始する。

肉山

2015年夏に、初の支店として名古屋店が誕生。東京の店が予約が取れないからと名古屋まで行くお客さんが多数発生すると同時に、中京地区の肉好きのハートを見事にキャッチ! いまや名古屋店も予約が全く取れない状態になった。

その勢いもそのままに、2016年はさらなる進出が続く。メディアでは初のスクープだが、博多西新、横浜、高松、大阪心斎橋、神戸と一気に5店舗も「肉山」が出店することが店主・光山英明氏からコソッと発表された。

肉山 店主・光山英明氏

これはまさに“赤身肉旋風”が西日本を中心に吹き荒れる事を示している。類似店が発生することも予測され、赤身肉ブームは収束するどころか、更に風速を上げるに違いないだろう。

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