名前だけでも期待大! 鬼才たちの新たなる挑戦
『クリーピー』 6月18日(土)公開
奇妙な隣人への疑惑と不安から、ある夫婦の日常が深い闇へ引きずり込まれていく恐怖を描く。
第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕の同名小説を、黒沢清が映画化。
クリーピー=身の毛がよだつ気味の悪さがどう演出されるのか注目だ。主人公の犯罪心理学者・高倉に西島秀俊。ほか、香川照之、竹内結子、川口春奈、東出昌大らが出演。
『怒り』 秋公開
『悪人』(10)に続き、李相日が吉田修一の小説を映画化。
現場に「怒り」という血文字を残したまま、未解決で終わった殺人事件。その余波が、事件と無縁に暮らしていた人々の心も侵食していく。
3つの場所と人々の群像劇として描かれ、渡辺謙と宮﨑あおいと松山ケンイチ、妻夫木聡と綾野剛、森山未来と広瀬すずらが、胸をえぐる人間ドラマを展開する。
『永い言い訳』 秋公開
西川美和が本木雅弘と深津絵里を夫婦役に迎え、直木賞候補作となった書き下ろし小説を自ら映画化。
妻を突然のバス事故で失った人気作家。彼は同じ事故で亡くなった妻の親友の遺族と出会い、思わぬ行動に出る。
家族突然失った者たちは、どのように人生を取り戻すのかをテーマに、その姿を真摯に追う一作。監督ならではの鋭くも温かな視点に注目だ。
『団地』 2016年公開
とある団地に引っ越してきた夫婦にまつわる噂が、やがて大騒動を引き起こしていく様を描く人情喜劇。
日本アカデミー賞最優秀監督賞などを受賞した『顔』(00)の阪本順治と主演女優の藤山直美が、再タッグを組む。
『やじきた道中 てれすこ』(07)以来の映画出演となる藤山が噂の夫婦の妻、岸辺一徳が夫に扮するほか、石橋蓮司、大楠道代、斎藤工らが出演。
『蜜のあわれ』 2016年公開
室生犀星の『蜜のあはれ』を『生きてるものはいないのか』(12)の石井岳龍が映画化。
金魚が正体の少女・赤子と老作家の暮らしに、老作家の過去の女で幽霊となったゆり子が現れて……。
赤子を二階堂ふみ、老作家を大杉漣、ゆり子を真木よう子が演じているほか、芥川龍之介役で高良健吾が出演。ユーモラスでいてエロテイックな世界観が描き出される。
デビュー作からメジャー作まで! 今、見るべき新鋭監督たち
『シェル・コレクター』 2月公開
『美代子阿佐ヶ谷気分』(09)で数々の国際映画賞を受賞した坪田義史による、日米合作映画。映画初主演となるリリー・フランキーが主人公の貝類学者に扮している。
沖縄の孤島で、貝を収集しながら静かに暮らす盲目の学者。彼が貝の毒で奇病の女性を治癒させたことから、穏やかだった生活は狂い始めていく。
出演はほか、寺島しのぶ、池松壮亮、橋本愛ら。
『星ガ丘ワンダーランド』 3月5日(土)公開
落とし物をモチーフとしたハートウォーミングなミステリーで、中村倫也、佐々木希、木村佳乃、菅田将暉、杏、市原隼人、新井浩文、松重豊ら豪華俳優陣が出演。
“NEXUS7”などを手掛ける注目の若手CMクリエイター・柳沢翔の初監督作品。第39回モントリオール世界映画祭ファーストフィルム・ワールドコンペティション長編部門に正式招待された。
『二重生活』 初夏公開
NHK特集ドラマ『ラジオ』で文化庁・芸術祭大賞を受賞し、国際エミー賞ノミネート経験を持つ岸善幸が、映画監督デビュー。
原作は小池真理子の同名サスペンス小説で、尾行にのめり込んでいく大学院生が、思わぬ真実を知っていくことになる。主人公の大学院生・珠に映画単独初主演となる門脇麦。
彼女が尾行する男・石坂を長谷川博己が演じている。
『湯を沸かすほどの熱い愛』 秋公開
宮沢りえ演じる突然の余命宣告を受けた女性・双葉と、杉咲花演じる娘の安澄を通して、母娘の関係と愛を描いたヒューマンドラマ。
監督は、自身初の長編となった『チチを撮りに』(12)で第63回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門にされ、数々の映画賞にも輝く中野量太。
本作が劇場映画初監督作で加えてオリジナル脚本。その才能に期待が高まる。
『走れ、絶望に追いつかれない速さで』 2016年公開
『愛の歴史』(15)、そして本作と、2作が2年連続で東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門上映となった新鋭・中川龍太郎。
『走れ…』は自伝的作品で、他界した大学時代の友人との関係を基にしたもの
。親友・薫の死を受け入れられずにいる漣が、薫が絵に描き残した少女に彼の死を知らせる旅に出る姿を描く。出演は、太賀、小林竜樹、黒川芽衣ら。