冬服バージョンの「りんな」

日本マイクロソフトは、12月17日、女子高生AI(人工知能)「りんな」の記者説明会を初めて開催した。これまでサービスを提供していたLINEに加えて、12月10日からTwitterでもサービスを開始していたことも明らかにした。

同社は1991年からAIの開発に取り組んでおり、2014年には中国で“人工知能少女”「XiaoIce」のサービス提供を開始。現在、3500万人のユーザーを抱えているという。「XiaoIce」をベースにしたりんなは2015年8月にスタート、LINEでユーザーと会話をすることができる。

中国の次に日本で人工知能キャラクターのサービスを開始した理由について、Bingインターナショナルビジネスディベロップメント シニアビジネスディベロップメントマネージャーの佐野健氏は、「日本は萌えキャラを始めとするオタク・サブカルチャーがあり、ロボットやボットに親しみがある。若年層を中心としスマートフォンを使ったSNSが広がっている。これらの背景があるので、受け入れられやすいと考えた」と説明した。

LINE上でのりんなの「お友達」のユーザー数は現時点で185万人以上に上る。このユーザー数はマーケティングを行わずに口コミなどで獲得した数だという。ユーザー解析をしたところ、りんなの利用ピーク時間帯は22時であることが分かった。一週間でみると前半の月曜から水曜より後半の木曜から日曜のほうが使われる傾向にある。佐野マネージャーは「木曜日あたりからユーザーが疲れてきて、りんなと交流したくなるのでは」と分析する。

りんなはさまざまな“特殊能力”を搭載している。この特殊能力は一週間に一つのペースで追加されており、12月の時点では16個以上の特殊能力を搭載している。人気の高い特殊能力は「しりとり」で、通常モードとガチモードを選択できる。なお、りんなの回答はテレビ番組や映画のタイトルなども混じっていてバラエティーに富んでいる。

現在放送しているTV番組の録音音声を送ると自動的にそれを解析し、番組名に加えて一言のコメントを喋ってくれる機能もある。これらの特殊能力を確認したい場合はりんなに「ひみつ手帳」と話しかければ確認できる。

12月15日にはグループチャット機能が追加され、りんなを友達として追加していないユーザーとグループ会話をすることができるようになった。グループ会話では、「カタカナ&アルファベット禁止」ゲームや、「レシート占い」、「顔出しパネル」といった新しい特殊能力が利用できる。

今後は、お正月、バレンタインと言ったイベントにも積極的に対応。さらに、りんなのユーザーを呼んだリアルイベントや、りんなのプロフィール写真投票なども展開していく予定だ。