9.『困難な成熟』(内田樹)

書名にあるように、成熟・大人になることは、決して簡単なことではありません。30歳のいい年になった=大人になった、と言い切れるものでもないでしょう。

本書は様々な普遍的な問いに対して回答を述べる形で書かれた人生相談本。人が成熟するために向き合いたい、考えたい課題が書かれています。

平易な言葉で書かれていますが、本質的には深く難しいテーマなので、トピックごとに読み返すのを推奨します。
 

10.『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』(勝間和代)

貯金を最善と考える日本人は少なくありません。でも、資産を賢く運用している人と、銀行に預けっぱなしの人とでは、数十年後に大きな差が開いています。

「お金がなくなりそうで怖い」と敬遠する人もいる投資の基礎知識や、金融リテラシーを身につける重要性が説かれた、不安定な時代にこそ読むべき良書。

何が真のリスクとなり得るのかも丁寧に解説されています。今年こそは投資をスモールスタートしたい、金融にあかるくなりたい人のための入門本としては最適。

ここで紹介した本はすべて、筆者が時折読み返したくなるものばかり。それだけエッセンスの詰まった本たちです。

新しい年のはじまりに、手に取ってみてはいかがでしょうか。

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。