『鬼弁』よりつけめん弁当。麺を入れるアイデアが斬新!

弁当一食で完璧にする必要なんてない。何でもいいと思えたら楽しくなってきた

――マインドの問題は大きいですよね。これまで何百回とお弁当を作ってきた中で、このラインだけは守ろうとか、自分自身に課していたルールとか一貫していたことって何かありますか?

TOSHI-LOW:全然ないですね。そこはもう何も考えないようにしました。何入れてもいいし、これを入れたからあれを入れたらダメとかもないし、肉肉肉の日もあったし、何でもいいんだなって思ったら楽しくなりました。

肉入れたから卵も野菜も入れなきゃ、とかバランス取って、完璧にしようと思わなくていいんですよ、たかが弁当一食なんだから。栄養が足りなかったら夜食わせればいい話ですよ。

――そう言ってもらえるとすごくホッとしますね。

基本的には奥様が仕事のときにTOSHI-LOWさんがお弁当を担当していたとのことですが、共働き家庭でもお父さんがお弁当を作るケースって圧倒的に少ないですよね。そこはTOSHI-LOWさん的に「自分がやるのは当たり前」って捉えてたってことですか?

TOSHI-LOW:そこは当然だと俺は思ってましたよ。

相手が作るのが好きでやりたくてって思ってくれてるなら、自分は作らないって選択肢もアリだと思いますけど、何にしても自分ができないからって相手に押し付けてるのは、人としても生き物としてもダメじゃないですか…?

――そこ、声を大にして言ってください。

TOSHI-LOW:だから俺、前は下手くそだったアイロンがけを最近やってるんですよ。

――ア、アイロンがけ!???やるんですか…!???

TOSHI-LOW:Tシャツとかでも素材によってはくしゃくしゃになっちゃうんだけど、前はアイロンがかかるまでジリジリと待ってたんですよ、「明日着たいんだけどなー」みたいな感じで。でも自分でやるようになったらちょっと楽しいんですよね。

――私、そもそもアイロンかけるような服を着ないようにしてますよ…だから、たまに体操服にゼッケンつける時とか手が震えそうになります。何か奥義みたいなものがあるんですか。

TOSHI-LOW:見様見真似だから、最初はやるたびにシワになって「何なんだよ、これ!」ってなってましたけどね。

でも、やってもらうのを待ってるんじゃなくて、自分でやるようになると「こうなってるのか!」って分かるし、次着るときに「あっ、アイロンかけるとパリっとして気持ちいいんだな、だったらこれもかけてみようかな」って思うんですよ。

何でもできるようになれば面白い。お弁当も「作ったことがない」から「やってみたい」に変わるんじゃない?

――ただ、「アイロンがけって結構楽しいらしいよ」って言っても、本人が心から思わない限り、なかなか伝わらない気もしますけどね…そのトリガーってどうやったら引き出せるんでしょうか。 

TOSHI-LOW:言っても変わらないんだったら、やってあげてる人もやらなかったらいいんじゃないですか?洗濯物がどんどん溜まっていって、部屋も掃除してなくて、飯も作らなくなったら「じゃあ誰がやるの」ってなるじゃないですか。

ただ、俺は「できると面白いよ」って言ってます。男は結構凝り性なところがあるから、何でもやってみると上手になりたいんですよね。だったら色んなものができたほうが面白いなって。

だから、みんな作ったことないだけで、作ってみたい、やれるものがあって、興味があればやってみたいんじゃないかって思いますけどね。

――確かに、うちの夫も『鬼弁』を読んで「つけめん弁当はやってみたいから、夏休みの学童用弁当作ってみる」って言ってました。

TOSHI-LOW:いいじゃないですか、成功ですよ。