(写真左から)原恵一監督、野原ひろし役の藤原啓治、増井壮一監督

劇場版“クレヨンしんちゃん”20周年記念作品『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』が4月14日に全国330スクリーンで封切られた。その前日の4月13日、東京・新宿バルト9で「しんちゃんナイト」と銘打ったオールナイト上映会が開催され、最新作に加えて、ファンによる人気投票「バカデミー賞2012」で見事1位に輝いた『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)を上映。深夜にも関わらず、約250人の観客で場内は満員御礼状態だった。

その他の写真

この日は原恵一監督、増井壮一監督、父・野原ひろし役の藤原啓治が登壇し、トークショーを実施。ファンはもちろん、批評家からも熱烈な評価を獲得した『オトナ帝国』を手掛けた原監督は「いいものになりそうという気持ちがあったが、同時に『失敗したな、これでクビになっちゃう』という自覚も(笑)」。監督として同シリーズ6作に参加し、「しんちゃんから離れて作った作品にも、“しんちゃんのおかげ”で作れた部分がたくさん。キャリアの中で特別な時間ですね」としんみり。この日、観客と一緒にスクリーンで同作を観たといい「久しぶりだけど、自分でもテンポが良くてびっくり。改めて(『しんちゃん』が)自由な場だと再確認した」と思い入れを語った。

一方、最新作『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』のメガホンをとった増井監督は、今回がシリーズ2作目の“ルーキー”にして、20周年記念作の大役を果たした。「20年といえば、赤ちゃんが成人する時間。ファンとスタッフが歴史を積み上げたシリーズなので、逆にあれこれ考えず、僕なりにハッピーで楽しい節目を迎えられれば」と気負いなし。“しんちゃん”の魅力は「他の作品では絶対触れ合うことができない、開放的なキャラクター。作る側の僕等も自然とテンションがあがる」という。

ひろしを演じ続けて20年の藤原にとっては、声優キャリアをほぼ一緒に歩んだ作品だけに、思いも格別で「声優として、なかなかない幸せ。ひろしを演じながら生まれたいろんな表情が、別の作品でも役立っている」。ただ、ファンから「(ひろしみたいに)足が臭いんですか?」と聞かれることもしばしばで、「僕はいたって無臭ですから!」とアピールする場面もあった。

『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』は、しんちゃんこと永遠の5歳児・野原しんのすけが、ささいなケンカをきっかけに「オラ、妹なんていらないゾ!」と口走ったことから、ひまわりが宇宙にある“ヒマワリ星”のプリンセスとして迎えられ…。野原一家が家族の絆と全宇宙の存亡をかけた大騒動に巻き込まれる姿が描かれる。

『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』
全国公開中

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます