社会から“求められる”人物像とは

瀧本さんが指摘しています。

「現在のビジネスマンが置かれている環境は、全く異なる。業界全体のルールが技術革新や規制緩和、新規プレイヤーの参入によって全く変わってしまうことがある。あるいは、業界の壁自体が崩れたり、多角化で業界ルールが変わることもある。あるいは個人レベルで部門が変わったり、転職したり、あるいは同じ場所にいても会社のステージが変わることで、ルールが変わることは日常茶飯事だ」(同書より)

つまり、とても複雑な社会となりつつあるのです。
例えば大手家電メーカーでは堅実なタイプよりも、発想力の豊かな社員が活躍するようになりました。というのも、技術の進歩によりハードウエアの性能面で各社の差がなくなったためです。
今までメーカーに向いていないと思われた人がいま注目されつつあるのです。

大手新聞業界でもWEBシフトが始まり、これまでの序列が変わりそうな気配があります。
今はクリエイティブなことやオリジナル性のある企画ができる人が評価されるようになり、ロボットに置き換えても問題のない仕事をしている安定志向のタイプは、いま悩みを抱える時代となっているのです。

“○○だけが得意”ではダメ?

「ある日、いつもとおり、サッカー部の部室に行ってみたら、突然テニス部が押しかけてきて勝負を挑んだり、さらにはサッカー部自体が囲碁部に変わっていたりする、そんな可能性があるのが現代のビジネスである」と瀧本さんは例えます。

サッカー部だった私にとって、それは受け入れがたい話しではありますが、それほどカテゴリの壁を越えての戦いが現実味を帯びているのです。

ですので、お子さんが部活を経験することは良いことだとは思っていても、それだけで安心していてはいけません。部活を経験することで、変わり続けるルールに対応したり、他の部活のことも学ぶ必要があるのです。
いわば、サッカーでもテニスでも囲碁でも戦えるようになる必要があるのです。

「自分の属している組織の特徴を理解して、それを客観視することは重要だ。ある日突然『部活』が変わってもトッププレイヤーであるために、必要不可欠なのではないだろうか」と瀧本さんも指摘します。

 

今回のコラムをまとめます。

部活動が私たちに与える影響は大きいと言えますし、そこでの成功体験は社会人になってからのアドバンテージとなることでしょう。

どのようなタイプの人が集まっているかで、その後の活躍が予想しやすくなります。

しかし、現在のビジネスの現場はより複雑なものとなっており、状況の変化やルールの改変などは日常茶飯事。
その都度、対応していく能力が求められつつあるのです。

ご自身のお子さんに頼もしく成長してもらうために。私たちはこれまでとは違う視点で子どもの部活動のことを考える必要があるのです。

大切なのは変化への対応力です。