『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』の著者で、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴です。

イジメはどこの国でもある大きな問題です。いじめられた子どもが、心や身体の傷を負ったり、精神的なトラウマを抱えるということは容易に想像でき心が痛みますね。

ところが実は、いじめられた子だけでなく、いじめっ子も大人になってから健康や経済面で問題を抱えるという調査研究が、アメリカで発表されています。

今日は、この研究をもとに、イジメについて語りたいと思います。

イジメに関する長期的調査でわかったこと

Ronald E Riggio博士のレポートによると、ワーウィック大学とデューク大学によって、イジメに関する長期的な調査が行われたそうです。

この調査チームは、イジメについて4つのグループに分けました。

  1. イジメに関わった経験がない者(いじめられも、いじめもしていない)
  2. イジメのターゲットや被害者になった者
  3. イジメの加害者(自らはいじめられたことがない)
  4. イジメの加害者にも被害者にもなった者

この4つのグループについて、9歳から大人になるまで追跡調査し、イジメが、健康や経済力、犯罪や危険行為に、どのような影響を与えるかを調べたのです。

その結果、(2)イジメの被害者や(3)のイジメの加害者は、(1)のイジメに関わった経験がない者より健康面で劣り、(4)のイジメの加害者にも被害者にもなった者は、もっとも健康面に問題があったのです。
しかも、(4)は、ドラッグなどの犯罪行為や危険行為に引き込まれている確率が高かったのです。