中村雅俊45thアニバーサリー公演より 撮影:江川誠志

中村雅俊デビュー45周年を記念した『中村雅俊45thアニバーサリー公演』が東京・明治座にて上演中。その公演初日に潜入した。

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1974年4月にドラマ『われら青春!』で俳優デビューし、同年7月にはドラマ挿入歌『ふれあい』で歌手デビューした中村の記念公演となる本作は、その45年間に欠かせない“芝居”と“歌”をそれぞれ披露する二部構成。明治座初座長を務める。

第一部で上演されたのは、中村が主演を務める時代劇『勝小吉伝 ~ああわが人生最良の今日~』。中村とは4度目のタッグとなる鴻上尚史が脚本・演出、鹿目由紀が脚本を手掛け、中村が勝海舟の父である勝小吉を演じる。共演は、小吉の妻・賀来千香子、息子の麟太郎(未来の勝海舟)・東啓介、麟太郎の恋人・愛加あゆ、悪役の片目・山崎銀之丞、小吉の兄・田山涼成、小吉の甥・寺脇康文ら個性豊かな面々。時代劇ならではの殺陣はもちろん、生演奏あり、歌あり、ダンスあり…そしてまさかのフライングあり!?という賑やかで楽しい作品に仕上がっていた。そしてその楽しさの中には「相手を信じる気持ち」や「今日の自分によかったと言える生き方」などさまざまなメッセージが詰まっていて、そこから生まれるあたたかなものには“中村雅俊”という存在に通ずるものを感じた。中村が演じる小吉は、自由でどこかとぼけているけれど剣の腕が立つ男。そんな彼を中心に登場人物それぞれが周囲の人を愛し、信じ、影響を与え合い、勇気を持って一歩踏み出す姿にぜひ注目してほしい。

そして第二部のライブでは、デビュー曲『ふれあい』をはじめとするシングル曲はもちろん、アルバム曲やメドレーなど10曲以上を披露。中村は、歌はもちろんのこと、サックスやギターなど楽器を演奏したり、MCで観客とコミュニケーションを取ったりと、約60分のステージはあっという間だった。この日はMCで、本ライブのタイトルであり、7月1日に発売したばかりのベストアルバムのタイトルにもなっている『yes!on the way』について「まだ途中、という意味です。まだまだがんばるつもり。過去の45年よりもこれから先のほうががんばり甲斐があります」とにこやかに語り、観客を喜ばせた。

公演は7月31日(水)まで東京・明治座にて上演中。チケット発売中。また、7月15日(月・祝)に開催される一夜限りのスペシャルライブには小椋佳、松山千春がスペシャルゲストで参加する。

取材・文:中川實穗