(画像左から)上田誠、永野宗典、石田剛太

「文房具」「ドローン」「だまし絵」など、ユニークなテーマに基づく「企画性コメディ」で観客を魅了し続けているヨーロッパ企画。20周年を迎えた昨年は初期の名作『サマータイムマシン・ブルース』と、その続編『サマータイムマシン・ワンスモア』を上演。チケットが各地でソールドアウトとなるなど劇団にとって、集大成にふさわしい1年になった。そして21年目を迎えた今年、彼らが新たに取り組んでいるのが“劇団初のオカルトコメディ”である新作『ギョエー! 旧校舎の77不思議』。稽古の合間を縫って脚本・演出の上田誠、メンバーの石田剛太、永野宗典が来福し、新作への思いや意気込みを語ってくれた。

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「学校の怪談モノって生徒たちが先生の目を盗みながら活躍する…というのが一般的かと思うのですが、今回は先生たちに頑張ってもらいます(笑)。あと、これまでポップなテーマが多かったヨーロッパ企画が『オカルト』 というテーマでコメディをやったらどうなるか、というところにも注目して頂ければ」と上田。さらに「77不思議という大風呂敷を広げていますが、それはちゃんとやります!」と続けると、「それを聞いた時点でメンバー全員、1ギョエーでした」と笑う石田は、「エチュードで先生役に挑戦していると、自分でも思った以上に気持ちいい。自分の中に教育魂が芽生えていると感じてます。最終的には“こんな先生いたらいいな”と思ってもらえたら嬉しい」とコメント。また永野は「石田くんは、先生をやることで自分の教育魂に気づいたと言っていましたが、僕は思わず保身に走ったというか、生徒の事を考えるより、事を荒立てたくないとか思ってしまい…。稽古を通してそういう人間性にも気づかされるのがショック(笑)」と語り、笑いを誘った。

現段階では、「ヨーロッパ企画」のメンバーが先生役、客演が生徒役を担う予定だというが、最終的に誰がどんな配役に落ち着くのかも注目すべきポイントとか。「今回は、ひとりふた役とかも登場するかもですね。僕は、役や場所に愛着を感じるので、これまではひとりひと役で舞台のしつらえも変えない事が多かったのですが、今回は配役や空間を変化させてみることで、信じていたものの足場がなくなる怖さが表現できたらいいな…とも考えています」と上田。オカルトであり、コメディであり、青春劇。一般には交差しにくいこれらの要素が、どう落ち着くのだろうか?「僕らもそこは不安だったのですが、チラシの裏の上田くんのコメントを見た時に、“あっ…ふざけてる!”と。そこでなんとなく理解できました(笑)」と永野。楳図かずお氏のイラストをコラージュした、インパクト大の今公演チラシ。その裏に綴られた「飢田」のメッセージも必見だ。

公演は全国10か所で、2019年8月からスタート。福岡公演は8月31日(土) 、9月1日(日)の2日間、西鉄ホールにて。チケットは発売中。