ヤマダ電機の本拠地「ヤマダ電機LABI1高崎」

家電量販店最大手のヤマダ電機は1月19日、4月1日付で創業者の山田昇社長兼CEO(最高経営責任者)が代表権のある会長に退き、桑野光正・常務総務本部長が社長兼COO(最高執行責任者)に昇格する人事を発表した。一宮忠男副社長兼COOは、副会長兼CEOとなる。

1月21日、群馬県高崎市のヤマダ電機本社で記者会見を開催。このタイミングでの社長交代について山田社長は「構造改革を含めた中期経営計画の方向性、基盤構築の目標が整備され軌道にのった。タイミングがいいと思った。元気な今なら後継者をサポートできる」と説明した。

次期社長の人選については「(2002年の)ダイクマ買収時、ヤマダ電機は人材がいなかった。買収で優秀な人材を獲得できた。そのクオリティの高い人材の中心にいたのが桑野だ。入社後、桑野に礎生塾の塾長を任せて期待に答えてくれた」と山田社長は話し、桑野氏が04年9月の入社時から経営の根幹を担う人材として育成していたことを明らかにした。

新社長に就任する桑野氏は「入社後、礎生塾に入り、社長と一対一で話す機会が多かった。そこで社長の考え方、思い、会社の理念、歴史を教えてもらった。入社から13年と期間は短いが、深い教育を受けることができた」と話す。

●4月から始まる新体制ではビッグデータを活用した新事業をスタート

4月1日から、山田会長、一宮副会長、桑野社長の三トップ体制が始まる。役割分担について山田社長は「既存事業は桑野に任せる。おそらく横ばいで、発展は難しいだろう。成長には新規事業の取り組みが必要だ。この新規事業(の立ち上げ)に取り組んでいく」と説明した。

新規事業の内容については「全国に広がるネットワークと5000万人の会員のお客さまがいる。このビッグデータを活用していきたい」とした。

最後に、桑野常務は今後の抱負について「これまで礎生塾で管理者、店長などと膝を割って話をしたし、課題を知ることができた。今後、社員、店長、エリア長にヤマダ電機が何をやっていくのか、徹底的に理解してもらいたい。できる限り時間を使って現場を回りたい」と話した。(BCN・山下彰子)