“怒る”と“叱る”の違いってなあに?

“怒る”のは自分の感情をぶちまけていること、要は頭にきて八つ当たりしているわけです。

これに対して“叱る”とは相手のことを考えて教え導くことです。

でも、頭に角を生やして顔を真っ赤にしているのは、それが叱っているつもりであっても、受ける子どもはどっちも変わり映えがしないものです。叱る、怒る、注意する、小言を言う・・・どれもこれも同じようなものです。

ある意味他人はそこまで子どもには思い入れがありません。親だからこそ「子どもの将来を考えて」「良かれと思って」の気持ちがあり、我が子だからこそ冷静にはなれず怒ったり怒鳴ったりします。

けれども、どんなに感情的に八つ当たりしても子どもは親のことが大好きなのです。
そのことにあぐらかいてはいけませんが“感情的になれるのは親の特権”なのです。思わずカッとなってしまうのは仕方ありません。

たまに他人行儀に「子どもに嫌われたくないから」と叱らない親がいますが、絶対にそんなことはありませんよ。どんなママでも親のことが大好きなのが子どもなのです。

先生はある意味、責任がない

私は長い間、幼児教室の先生として子ども達に指導をしていますが、先生仲間の会話である衝撃の言葉を聞いたことがあります。

「私がこの子どもの親だったら、もっとしっかりと躾をする。このまま育ったらどんな大人になるか末恐ろしい…」

私はその言葉を聞いて「この先生はプロとして失格だな」と思いました。

なぜ、親に進言しないのか聞き返したところ「保護者との人間関係を悪くしたくないから言えない」と返事が返ってきました。
その先生は自分の担当生徒に対しても「怖い先生と思われたくない、嫌われたくない」の一心で躾が出来ない先生でした。

人に気を遣っているように見えて実は自分に一番気を遣っているのですね。愛情をもって子どものことを考えているとは言えないと感じてしまいました。

子どもの親となったら責任が生じます。

万が一、子どもが成長して犯罪を犯した時、警察は親に連絡をしてきます。子どもが未成年でなくても「どんな家庭に育ったか」とマスコミは騒ぎます。マイクを向けらえて「私の育て方が悪かったのかもしれません。昔はいい子だったのに」なんて謝罪している親もいます。

親はいくつになっても子どもの人生を背負わされるものなのですね。