『さようなら』 (C)2015「さようなら」製作委員会

深田晃司監督が平田オリザが作・演出を手がけた舞台を映画化した『さようなら』がロッテルダム映画祭をはじめ、世界各地の映画祭で上映されることが決定した。本作は現在も日本でロングラン上映中で、今月末からは東京での再上映も決定している。

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本作は、放射能に侵され、日本国民が“棄国”を選択した近未来を舞台に、難民として日本に来た女性ターニャ(ブライアリー・ロング)と、病弱な彼女をサポートするアンドロイドのレオナ(ジェミノイドF)の日々が、虫や植物、空などの自然の時間と平行して描かれる作品。

深田監督は『歓待』でプチョン映画祭の最優秀アジア映画賞を、『ほとりの朔子』でナント三大陸映画祭のグランプリと若い審査員賞を受賞するなど、海外の映画ファン、批評家も注目する存在で、人間とアンドロイドが“共演”する本作も海外の映画祭の作品選定者から出品依頼が殺到している。まずはロッテルダム映画祭、ジュネーブ・ブラック・ムービー・フェスティバル、ヨーテボリ映画祭への出品が決まり、これを機に各地での公開や、他の映画祭への出品が期待されている。

深田監督は「スタッフ、俳優の技術の結晶たる映画『さようなら』が海を越えていくことを誇らしく思います。いつも思うことですが、映画は完成してしまった瞬間、監督の手を離れていきます。親離れした子供が社会に揉まれて育っていくように、映画もまた観客に育てられます。ヨーロッパの国々での出会いがこのちょっとひねくれた子供をどんなオトナに仕立てるか、楽しみにしています」とコメント。監督は、ロッテルダム映画祭、ブラック・ムービー・フェスティバルに出席する予定だ。

なお、本作は現在も日本各地で上映を続けており、30日(土)からは東京・渋谷のアップリンクで上映される。

『さようなら』
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