子どもの自由を重んじすぎる日本、諸外国との差

ある国際調査(「家庭教育に関する国際比較調査」国立女性教育会館、2004年、2005年度)によると、「親のいうことを素直に聞く」ことを子どもに強く期待する親は、日本には29.6%しかいません。
しかし、これがフランスだと80.1%、アメリカだと75.2%となるのです。

さらに、「学校でよい成績をとる」ことへの期待ですが、日本では「強く期待する」が11.9%と飛び抜けて低くなっています。
アメリカは72.7%でフランスは70.1%、スウェーデンでは45.9%と半数を下回り、タイで28.9%、韓国で21.5%と期待が下がりますが、日本の低さは際だっていますよね。

これらを見ていると、日本の親は子ども自由を少々尊重しすぎているという現状が浮き彫りになってきました。もちろんしつけが出来ていれば良いのでしょうが、尊重はするがしつけはしない、では問題は深刻化する一方です。

ここで榎本さんが興味深い調査を行っています。

叱れなくなった先生

20歳前後の大学生(253名)と30~60代の人々(91名)を対象に様々な問いを投げかけました。するとこの前者と後者では、回答の傾向が全く違ったのです。

小学校時代に先生から「よく褒められた」という数を調べたところ、前者は53%がこれに該当。そして、後者で37%がこれに該当しました。

20歳前後の大学生の方が褒められて育っています。逆に「よく叱られた」というのは、前者で25%。後者で42%。中学高校時代でも同様の傾向がみられました。

明らかに叱る先生が減り、褒める先生が増えていることが調査からわかります。
また、父親と母親の「褒める機会」「叱る機会」に関しても同じような傾向が見られました。

ただ、ここからが大切です。