ともさか&南:いいなぁ…(苦笑)

南:私、一番最後って不利じゃない(笑)? こないだ鄭さんに「稽古中ですけど『たとえば――』は見に行けるんでしょうか?」って聞いたら「まだ分かんないな、稽古長いからね」って言われた(笑)。

――馬渕さん、南さんもそれぞれご自身の役や作品の魅力を教えていただけますか?

馬渕:私の役は3姉妹と一番末の弟という4人姉弟の長女なんですけど、耐えていることがすごく多いんです。

大家族でみんな一緒に住んでて、次女の結婚相手は実は、長女の私がかつて恋仲だった人だったり、すごく狭くて近しい関係の中で生活してる。その密接した空間でのやり取りを読みながら「苦しいなぁ…」って感じてます(苦笑)。

ともさかさんと同じく、私の役にも「決断」があるんですが、何をきっかけにそう決めたのか…? 探さないといけない部分がいっぱいです。

――南さんにとっては、4年前に演じられた役を再び演じることになりますが…

南:初演の時は必死に食らいつくだけで余裕が全くなかったんですが、いま、改めて読み返してみると新たに気づかされることがあって、新鮮ですし面白いです。

事故で炭鉱が閉鎖されてしまった街が舞台で、新天地を求めて人々が出ていく中で、そこに「取り残されてしまった」夫婦の物語です。

彼らのエネルギー、笑い、悲しみ、涙、絆、愛情……その全てが折り重なって、戦後の日本社会の地層になってると思います。己を知り、そこで人生を全うする人たちの美しさがあると思います。

逆境や厳しい状況に陥った時の乗り越え方

――それぞれに逆境やつらい境遇の中をたくましく生き抜こうとする役柄ですが、みなさんは普段、仕事やプライベートで逆境や厳しい状況に陥った時、どのように乗りこえていらっしゃいますか?

馬渕:私は、とにかく一度、反省して、自分が悪ければ謝って…最終的には全てを捨てて「ま、いっか」ってなりますね(笑)。そうしないと前に進めない! 

そこにたどり着くまでは結構、グジグジしてますけど、どこかの時点で「ま、いっか」(笑)。