『ブラック・スキャンダル』

ビン・ラディンに次ぐFBI最重要指名手配犯とされたジェームズ・ホワイティ・バルジャー。ジョニー・デップがこの伝説的なギャングを演じることで話題の『ブラック・スキャンダル』の公開に先駆けて、実際の兄弟・姉妹、さらには深い絆で結ばれた友人などの関係性を持ったペアを集めた試写会が行われた。本作の主人公となる3人の男たちの生き方の是非について、参加者たちはまさに賛否が分かれる感想を抱いたようだ。

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本作の主人公となるのは、ギャングのボスであるバルジャーと、その弟で上院議員のビリー、FBI捜査官のコノリーという、米サウスボストンで幼馴染として育った3人だ。バルジャーとコノリーは本来敵対する関係でありながら互いに内通することで利用しあい、ビリーはそれを黙認。3人の固い絆は、やがて“アメリカ史上最悪のスキャンダル”と呼ばれる汚職事件を引き起こしていく。

今回の試写会には、兄弟や姉妹、また深い関係の友人など、我こそは“ソウルブラザー”、というペアたちが集結。鑑賞後の彼らにバルジャーたちの生き方を認めることができるかを聞いてみたところ、“認めない派”からは、「映画の中だけで見ているだけならいいが、実際に身近な人にこんな人たちがいたらぞっとする。良いことは良い。悪いことは絆で結ばれていても許せない」「善悪の判断基準が一般社会のルールとかけ離れている人を守ることはできない」といった、社会通念上真っ当な声が集まった一方、“認める派”からは、「目的、手段はどうあれ、彼らは生きるために必要なことをした。貫き通すという行為、生き様は信念と同じ」「3人の強く深い友情はきっと他人には理解できないものだったのではと思う。たとえそれぞれが違う道を選んだとしても、友情は永遠であるものだと強く感じた」など、深い絆に共感を示す声が。全体では、認めない派が47.5パーセント、認める派が52.5パーセントという、まさに賛否まっぷたつな結果となった。

肯定的な意見が否定派をやや上回るという結果は、今回の参加者自身が他者との深い絆を強く感じているからこそかもしれない。いずれにしても本作の衝撃的な物語は、公開後に多くの議論を呼ぶことになりそうだ。

『ブラック・スキャンダル』
1月30日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー

(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

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