『わたしはあの子と絶対ちがうの』 とあるアラ子

趣味や好きなモノは人それぞれ。しかし、自分が全く知らない趣味のコミュニティに入り込んだときの疎外感はつらいものがあります。

漫画家のとあるアラ子さんが1月7日に上梓した自伝的コミックエッセイ『わたしはあの子と絶対ちがうの』(イースト・プレス)には、サブカル趣味を持つ彼の仲間達とうまく付き合えなかったり、SNSに振り回されたりするアラサー女子の苦悩が描かれており、思わず共感してしまうシーンが満載。

今回は、著者のとあるアラ子さんに、自分の趣味とは異なるコミュニティに入りこんだ際に人がとってしまう言動やその理由、女子がSNS上でやってしまいがちな言動についてインタビューしました。

——まずは、この漫画を描いたきっかけを教えてください。

とあるアラ子(以下、と):この作品はエッセイの体で描いていますが、実際はフィクションとノンフィクションが入り交じっています。

作品内での「アラ子」は最初、創作活動とはほど遠い存在ですが、私自身は10年くらい前からアルバイトをしながら漫画やイラストをたまに描いていました。でも、それは依頼された案件を淡々とこなしていくという感じで、読者からの反応なんてほとんどないし、下手したら名前も出ないようなこともたくさんあって……。

漫画内にもありますが、転機はブログを始めたことだったんです。私自身は全く音楽に興味がないのに、マニアックな音楽好きの彼のCDラックにあるCDをひたすら聴いて感想を書くブログ『うんいち~運命の一枚をさがせ~』が注目されたことをきっかけに、依頼されていない作品を書くということが新鮮に思え、「コミティア」にこの漫画の元となったコピー本を出したり、中野ブロードウェイの「タコシェ」に置いてもらったりしました。

そこで、このような楽しい世界があるのだと知り、創作に対する心構えが変わったように思います。