『キャロル』

女優のルーニー・マーラが、名女優ケイト・ブランシェットと共演した映画『キャロル』で数々の映画賞レースの候補になっている。大作映画の主役に抜擢されるなど近年、注目を集め続けるマーラは、本作によって知名度だけでなく女優としての評価も手に入れたようだ。

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ルーニー・マーラは1985年にアメリカで生まれ、2005年に映画デビューを果たしたが大きな注目が集まることはなかった。転機が訪れたのは2010年。『ソーシャル・ネットワーク』の冒頭に登場する主人公の恋人役で注目を集め、同じデイヴィッド・フィンチャー監督の『ドラゴン・タトゥーの女』の主演に抜擢。強烈なメイクとピアスで全身を飾り、天才ハッカーのリスベット役を熱演。アカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされた。

その後も、『セインツ 約束の果て』『her/世界でひとつの彼女』など良質な作品や『PAN~ネバーランド、夢のはじまり~』といった大作映画に相次いで出演。愛らしい笑顔と、鋭い視線、物憂げな表情が魅力的な彼女は、幅広い役を演じることのできる女優として映画のジャンル、規模を問わずに活躍できそうだ。

そんな彼女が「夢が叶うという感じ」と語るのが、トッド・へインズがメガホンをとり、名女優ケイト・ブランシェットと共演できる『キャロル』への出演だ。本作でマーラが演じるテレーズは、1950年代のニューヨークで暮らす若い女性で、ジャーナリストになりたいという夢を抱いているが志半ばで、恋人がいるが彼の結婚の誘いを心から受け入れることができないでいる。しかし、ある日、アルバイトをしていた高級百貨店で謎めいた女性キャロル(ブランシェット)と出会ったことで、人生に大きな転機が訪れる。

謎めいた女性キャロルへの好奇心と憧れ、未知の世界に足を踏み入れることで変化していくテレーズの心情を見事に演じたマーラは、本作の演技でカンヌ映画祭の女優賞を受賞。本年度の米アカデミー賞では助演女優賞の候補になっており、彼女の演技を絶賛する声が高まっている。

『キャロル』
2月11日(木・祝)全国公開

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