ダニエル・バレンボイム ダニエル・バレンボイム

巨匠ダニエル・バレンボイム、シュターツカペレ・ベルリンを迎えて公演中の「東芝グランドコンサート 35周年特別企画」が、2月2日に記者発表会を開催。バレンボイムをはじめ、同じく指揮を務めるダーヴィト・アフカムらが登壇した。

「東芝グランドコンサート 35周年特別企画」の公演情報

先日1月31日の仙台で幕を開けた全国ツアーは、大阪、名古屋、東京、川崎、金沢、広島、福岡と全国8都市で開催。2月9日(火)から20日(土)の東京公演ではブルックナーの交響曲を第1番から第9番まで“ツィクルス”(連続演奏)をおこなう。

バレンボイムにとっては、初来日から今年はちょうど50年目にあたるが「年月を重ね何度も日本に来られることを幸せに思っています」と挨拶。「日本の聴衆のみなさんの集中力、静かに演奏に耳を傾ける姿勢には感銘を受けました。それは50年経った今も変わりません。この半世紀で日本は様々な方面に開かれ、いろんな文化を吸収してきましたが、こと音楽に関しては取り入れるべきものを見極めて、正しく取り込んでいるように感じられます」と日本のファンを称え、感謝を口にした。

今回、ツィクルスという形でブルックナーの交響曲1番から9番を全て、しかも順番通りに披露するが「私が知る限り、日本で初めての試みであり、あえて順番通りに演奏することを決めました。ブルックナーの作曲家としての成長に向き合い、その発展を理解することに繋がることになると思います」とその意義を強調。日本のファンに向けて「今の時代、どこでも音楽を聴くことができますが、ブルックナーの音楽は複雑で、集中力が求められます。受け身で音楽が心を動かしてくれるのを待つのではなく、能動的に向き合っていただきたいと思います。個々に聴くと似通っているように思われがちなブルックナーの交響曲ですが、決してそうではありません。ツィクルスを通じてじっくりと耳を傾け、ひとつひとつの違いを感じていただければ」と訴えた。

2月23日(火)からの金沢、広島、福岡公演で指揮を担うのは、スペイン国立管弦楽団の首席指揮者を務め、近年急速に評価を高めている若手のダーヴィト・アフカムだ。まずバレンボイムとの来日について「マエストロのリハーサルを目の当たりにすることは、密度の濃いマスタークラスの講義を受けるようなものです」と目を輝かせる。そして自身の公演に関しては「私はブラームスが大好きで、シュターツカペレ・ベルリンとは昨年の11月にもやっており、日本でもできればと思っていたので、実現して嬉しく思います。モーツァルトでは、ソリストを務める4人のオーケストラメンバーの演奏を堪能していただけると思います」と意気込みを語った。

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