『ブラック・スキャンダル』

ジョニー・デップが実在のギャングを演じた映画『ブラック・スキャンダル』が公開中だ。主人公のモデルとなったジェームズ・ホワイティ・バルジャーは現在も刑務所に収監されている。本作は、彼が政治家、FBI捜査官と密約を結びありとあらゆる犯罪に手を染めていく様と、事件の顛末を実話に基づいて描いた作品で、このほどバルジャーら首謀者の当時の写真をもとに、スコット・クーパー監督が制作のこだわりや、デップの役作りについて解説する特別映像が届いた。

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「事実は小説より奇なり、これが作り話なら真実味がない。“アルカトラズ”送りになった犯罪王の兄に、州の上院議長に上り詰めた弟。ふたりの幼なじみのFBI捜査官。こんな話、誰も思いつかない」と特別映像の冒頭で切り出すクーパー監督。

「ストーリーの始まりは1975年が理想的だと思った。当時すでにバルジャーは影響力を持ちイタリア系マフィアと抗争を繰り広げていた。同じ頃、ジョン・コノリーはFBIで頭角を現し始め、イタリア系マフィア一掃のため密告者の協力を必要としていた。そこで白羽の矢が立ったのが、幼なじみのバルジャーだ」。映画はバルジャーが政治家の弟と、FBI捜査官とどのように手を組み、ドラッグ密売、マネーロンダリング、ギャンブル利権の独占、そして殺人を犯していったのか、事件の裏側で起きていた出来事を描き出していく。

さらにクーパー監督は、デップと作り上げたキャラクター像とその演技についても語っている。「ジョニーと綿密に作り上げた。話し合ったのは、バルジャーの自信の源や彼の話し方などだ。動きは最小限で、全く無駄がない。まるでコブラのように相手を惑わせて不意に襲いかかる。ジョニーは内面までバルジャーに変身していた」。

「ジョニーの演技はキャリア史上最高だと思う」と断言するクーパー監督。観客からも「近年のJ・デップ作品では断トツに良かった。何回もゾッとする場面があり彼が話すとピリッとした緊張感が走る」「狡猾で容赦ないバルジャーの恐さを冷淡な喋りで見せるJ・デップ」と、デップの演技を絶賛する声がTwitterやFacebookなどのSNSで続々と寄せられているという。

『ブラック・スキャンダル』
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