本の置き方だけで、子どもの興味が変わる

毎年大量の本を読む藤原さんは、読後に寄付する本を自宅に本を並べていたら、「そんな本を置いておくと読みたくなるので困る」と、受験生の長女に怒られてしまったそう。

――ということは、家で本が見えるようになっていることも効果があるんですね。その場合、本棚に背表紙だけ見せて並べるより、表紙を見せて置くほうが効果的ですか?

藤原さん:図書室でも本の数を減らし、空いたスペースに本を面出し(表紙が見えるように置くこと)しました。

人間の意識をつかむ効果が表紙にある。だから本屋は売りたい本を面出しする。その手法を自宅でもとってみてください。ただし、背表紙で並べるよりスペースが必要になります。

きれいに並べていなくても、絵本は表紙が「読んで読んで」と呼ぶから、多少乱雑になっていても子どもは見つけますよ。

親が「これ読んだら?」と言うと、特に男の子などは反発してしまう場合もあります。なので、読ませたい本は、さりげなく部屋に置いておく。
以前、私の著書を気に入ってくださった方は、息子さんになんとかこの本を読ませようと思い、5冊買って家中にばら撒いたそうです。それこそ居間だけでなくトイレにまで(笑)。まあ、そこまでしなくていいと思いますが。

――最近、子どもたちのボギャブラリーが減っていると言われていますが、読書は言葉を増やすのに効果がありますか?

藤原さん:私は33歳から本格的に本を読むようになりました。自分に毎日ノルマを課し、読んだ本が300~500冊を超えたあたりから自分の意見を書きたくなってきたんです。

本を沢山読んだら、「頭が良くなる」とか「教養が高まる」というのはよくわかりませんが、活字のシャワーを浴び、沢山インプットされたことで、コップの水がああふれるように言葉があふれる経験をしました。

今はブログやSNSなど、自分で情報を発信する場がありますが、文章がよくないと読まれません。メールもそうです。本を読むことで、自分の文章を練り上げ、向上させることができる。本を読んだ人が勝つ。そう思います。