舞台あいさつで笑顔を見せたディーン・フジオカ

 映画『NINJA THE MONSTER』の公開記念“逆輸入”舞台あいさつが18日、東京都内で行われ、出演者のディーン・フジオカと森川葵が出席した。

 この作品は、幕府から「忍者禁止令」が発布され、もはや忍(しのび)は存在しないと思われていた時代を舞台に描く新感覚エンターテインメント時代劇。元々、海外のマーケットを狙って製作されたものだが、主演のディーンがNHK連続テレビ小説「あさが来た」の“五代様”役で大ブレークしたことを受け、“逆輸入”という形で日本でも期間限定で公開されることとなった。

 この日、女性客の黄色い歓声に迎えられたディーンは、ハイタッチに応じながら笑顔で登場。「皆さまこんにちは。今日は来てくれて本当にうれしいです。いきなり(会場に)入って、つまずいて転びそうになっちゃって…。すごくマヌケな感じなんですが、(自分が演じる)伝蔵はカッコいいので、お楽しみ下さい」とはにかみながらあいさつした。

 劇中では身分を隠し、命をかけて姫(森川)を守り抜こうとする忍・伝蔵役を熱演。「社会から存在を否定された忍ということで、業の深い設定。しかし、人間として生きている以上、おなかもすくし眠くなるわけで…。その、生きるということを常に否定し続けられる精神状態ってどういうものなんだろうと、撮影前から考えていました」と役作りを振り返った。

 また、監督からは「全身黒でここ(目)だけ見えているという“いわゆる忍者”でなく、もっとリアルな忍者(像)」を要求されたというディーン。そのため「体のタフネスとか、格闘術の強さだけでなく、思考の論理とか、本当だったら気付いちゃいけないところまで疑問を持って、自分で答えを導き出していくという…、光も闇も両方を見極める洞察力のある人物というのを意識しました」と役柄ならではの苦労も語った。

 とはいえ、殺陣を始めとしたアクションシーンも満載。普段から「仕事でいろんな国に行った際には、その土地にしかない格闘技を吸収するように心掛けている」というディーンは、「武器とかも集めるのが好きなので、そういうのを買って、できるときに練習しています」と自身の趣味も告白した。

 また、学生時代からやっているボクシングをはじめ、中国武術やテコンドーなども習得しているディーンだが、日本の殺陣は初めてで「両手で剣を持つというのはやったことがなく、なるべく意識して(刀を)両手で持とうとしたのですが、長回しで撮っているといつもの自分のスタイルで片手になっちゃって…」と苦笑い。

 それでも、「それがマージナルな部分(狭間)に生きている忍者らしいかなと、自分としては好きなところです。監督も、サムライじゃないから決まりきった型を意識しないでいいよって言ってくれました」と笑顔を見せていた。

 映画は2月20日から1週間の期間限定で公開。