f(x) 左からビクトリア、ルナ、クリスタル、エンバ

オープニング――。カウントダウンからメンバー一人ひとりにスポットライトがあたり、モチーフである立方体の箱が頭部から外される。当然のように沸き起こる歓声。メンバーは、『Electric Shock』『Red Light』といったダンスチューンを5曲立て続けに披露し、会場の熱を一気に上げた。

カラフルでカジュアルな個性的な楽曲とファッションがグループの特徴であり魅力だ。ステージも、グループ名の由来のひとつである関数のxの値で結果が変わるような、多彩な展開だった。デビュー曲はもちろん、ヒット曲『NU ABO』『ピノキオ(Danger)』ほか7年の歩みを彩ってきた楽曲を繰り出し、ハツラツとしたしたイメージや、キュートでポップ、ファンシー&カジュアル、そして妖艶さ……学校からクラブスタイルまでパートごとに様々に“表情”を変える。それは、“f(x)らしさ”そのもの。「とても緊張しています」(ビクトリア)というが、堂々とした確かなパフォーマンスからその色は微塵も感じない。そればかりか、むしろ、全身でよろこびを表現しているようにさえ感じられた。

「これまで披露していなかった曲も、みなさんがついてきてくださって本当に感動しています」(エンバ)という言葉通り、つねにメンバーと観客が一体になって盛り上がる。そんな中、3人がクリスタルに水を差し出し、「お姫様です(笑)」(エンバ)と、笑いを誘う和やかな場面もあった。

中盤では、メンバーが二手に分かれて客席を歩きながらお菓子をプレゼントするサービスも。さらに、アンコールでも、メンバーは客席から登場し、ファンと触れ合いを楽しみ会場に満開の笑顔を咲かせていく。会場の大歓声と祝福の声を一身に浴びるメンバーたち。感極まったルナが涙をにじませ、そんなルナをエンバがぐっと抱きしめる温かな光景もみられた。7年の歳月を経て迎えたのは、何ものにも代え難い温かさとよろこびに満ち溢れた空間だった。

同ツアーは、2月28日(日)の愛知公演まで全4か所6公演で2万5500人を動員予定だ。