2. 中井貴一が自分で選びぬいた3本「中井貴一特集」
3月5日(土) 10:00〜 

菊池映画祭になんと中井貴一さんが登場! 中井さんが“これを観るべき”と自選した3作品が上映され、たっぷりと中井さんの映画に対する想いが聞ける場が用意される。

そのうちの2本はフィルム上映という貴重な機会だ。上映後には観客との質疑応答も予定されている。

上映予定作品
・「東京上空いらっしゃいませ」(相米慎二・牧瀬里穂) 35mmフィルム上映
・「この広い空のどこかに」(小林正樹・佐田啓二) 35mmフィルム上映
・「その木戸を通って」(市川崑・中井貴一) デジタル上映

行定「中井貴一さんの特集を組もうと考えたのは、私が舞台の演出で中井さんとご一緒した『趣味の部屋』の旅公演の時でした。

中井さんは食事の席や温泉の湯船の中で関わってこられたたくさんの映画の逸話を話して下さいました。どれもユーモアと感動に溢れたお話で素晴らしかった。

これを独り占めにしてるのはもったいない! 映画祭に来てくれた観客に聞かせたい! と思い、ダメ元でお願いしました。中井さんは快諾して下さいました。

中井さんの人生は近代日本映画史と共にあります。特に中井さんが深く関わった故・市川崑監督と故・相米慎二監督の二人の巨匠の話はどれも面白い。

市川監督の中でもあまりたくさんの方が観ていない名作『その木戸を通って』と相米監督の牧瀬里穂とのクライマックスシーンの奇跡を観て欲しくて『東京上空いらっしゃいませ』を選んでもらいました。

そして、名優であり中井さんのお父様である佐田啓二さんの作品は中井さんが一番好きだと公言している『この広い空のどこかに』を選びました。

父・佐田啓二を通して小津安二郎監督や木下恵介監督の話も出て来るのではないかと期待しています」

3.うまいもの屋台×伝統芸能×ミニライブ 「きくちの夜会」
3月6日(日)17:30~

昨年より菊池映画祭におじゃました私が、ぜひおススメしたいのが“菊池の夜”。

今年も国登録有形文化財の松倉邸や能場を中心に、映画祭に来場したお客様を伝統芸能でお出迎え。周りはうまいもの屋台がずらーっと立ち並ぶ「きくちの夜会」という交流会が開催される。

場内では行定監督たちによる映画談義をはじめ、「忘れらんねえよ」の柴田隆浩さん、津軽三味線演奏者の高﨑裕士さんのミニライブなどが予定されている。

行定「昼間から映画を観て、映画を作った俳優やスタッフと観客が交流する。そして、夜は野外ライブやちょっとエッチな映画談義。朝まで酒を飲んで盛り上がるのが映画祭の醍醐味です」

菊池には映画館がひとつもないが、2014年の映画祭を観に来た地元の高校生たちは映画の面白さを感じ、それに感化され映画部を自ら作ったということが起きたという。

菊池での“出会い”がどんな“きっかけ”を生み出してくれるのか。

行定「僕が好きな映画祭はその夜に出会いがあって、それがその後の映画作りに繋がって行った。映画ファンでも映画ファンじゃなくてもワクワクするような三日間を僕らは目指します!是非、お待ちしてます!!」

ウレぴあ総研・編集長。雑誌『ぴあ』映画担当を経て、MOOK『ガンダムぴあ』『仮面ライダーぴあ』『スーパー戦隊ぴあ』『映画遺産ぴあ』を刊行。趣味は温泉、銭湯めぐりとおいしいお酒を飲むこと。