親が無理しなくても、子どもの能力がグングン伸びる方法とは?

子どもを持つ親にとっては、学力にとどまらず、子どもが持つ能力をさらに伸ばすことができるように願っているのではないでしょうか。

共働き家庭が増えたため、なかなか余裕を持った育児ができないのが悩みというママも多いかもしれませんそんな中、親が無理に頑張らなくても、効率的に育児をこなすことでストレスフリーで、子どもをできる子に育てることができると語っているのが新刊『偏差値29から東大理II合格 東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。

この本は、偏差値29という成績から、自己流の勉強方法で東大理IIに合格し、薬剤師の資格を取得した杉山奈津子さんによる著書です。

杉山さんは、心理カウンセラーの資格も持ち、心理学の立場からもママが楽に感じられるような育児法を提案しています。

これまでの価値観を覆すような育児法。親はどのようなことを気にかければ、子どもの能力が無理なく伸びるのでしょうか。具体的な声かけを4つ紹介していきます。

「あなたならできる」期待されることで伸びていく

本書によると、「ピグマリオン効果」と呼ばれる効果は、親が子どもに与えられる最強の武器であると書いてあります。

このピグマリオン効果を表すエピソードとして、本の中ではある教育学者が行った実験が挙げられています。

彼は、子どもたちに「君たちが将来どれだけ伸びるかを試すテストをしますよ~」という嘘をつき、テストを解かせました。彼はその結果を見て、担任に「うん、こりゃあAくんとBくんとC君くんが伸びるね」と伝えました。

実はこの結果も虚偽でしたが、実際にAくんとBくんとCくんの成績がほかの生徒たちと比較して伸びたと言います。

担任はテストの結果から「この3人が伸びる」と教育学者に断言されたことにより、この3人の生徒に対する接し方がほかの生徒たちと違っていたのです。ほかの生徒では解けない問題でも、Aくんには「伸びると言われたから」信じて、「キミなら解けるはず」と応援したと推測されます。

このように、子どもは人から「あなたならできる」と思われ、期待されることで、実際にグングンと伸びていくことが証明されています。

つまり、子どもの能力を伸ばしたければ、「私の子どもだから、まぁこの程度だろう」という考えは捨ててしまうべきだと言えます。

さらに子どもには、『できない』や『無理』という言葉をできる限り使わないようにした方がよいと本書には書かれています。杉山さんは、ピグマリオン効果を狙うためには、ほかの親の目を気にしないようにすることとアドバイスしています。

子どもには「あなたならできる」と言うようにしていきます。そうするだけで、実際にできるようになっていくので、日ごろから否定的な言葉を使わないよう気を使うようにしていきましょう。

親からの誉め言葉で、子どものマイナス感情を上書き

乳幼児期は、周りのこと自分の子を比べて、成長のスピードが気になるもの。読み書きというような将来的な学力につながるものから、かけっこや鉄棒というような運動能力にまつわるものまで、「できる」「できない」が気になってしまいます。

特に幼児の時期は、4月生まれか3月生まれかによって、かなり能力の差も出てきてしまいます。

本書の中で杉山さんは、2月生まれの息子が、発育が遅いため他の子ができることができないことから「自分はいろんなことができない人間だ」と劣等感・コンプレックスを頂いてしまわないか心配に思っています。

そこで杉山さんは、心理学では、「自分はこういう人間だ」と思うと本当にそうなってしまうという、ラベリングという効果を例に挙げています。遅く生まれただけで「みんなができることができない」「能力がない」と思い込んでしまう可能性を危惧しています。

そうならないために、保育園や幼稚園など親の目が届かないところで作られたマイナスの思い込みは、自宅でのケアが必要だと書かれています。

マラソン大会などあれば、順位には触れずに「こんなに長く走れるなんてすごいね! 500メートルなんてママは体力がないからできないよ」というように、褒めるところをみつけて、子どもが外で味わうマイナス感情をどんどん上書きするべきだと説いています。