個人的には、劇中で一番すごかった必殺技は神浜コウジくんの“はちみつキッス”である。まさかあんなところからハニーが湧き出るとは思わなかった……。ぜひ劇場で確認してもらいたい。

あとは、劇中のダンスシーンも見所のひとつ。おそらくモーションキャプチャとCGを使って作られたであろう激しいダンスシーンでは、“ストリートのカリスマ”と言われる仁科カヅキとチャレンジャーである大和アレクサンダーのダンスバトルが一番の見所だと言って良い。

このシーンを鑑賞して、はじめてTLで多数見かけた「アレクぅwwww」という呪文の意味がよくわかった。アレクはすごい。劇場で確認して欲しいことその2である。

YouTubeより © T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

見終わった後、未だによく整理できない頭で導き出した結論は、「キンプリはプロレスのみたいなものである」だった。いろんなキャラクターの男の子たちが、プリズムショウというリングの上で、相手の全力を受けきって自らも全力を出す。それが彼らの、プリズムスタァの美学。正々堂々のプリズム勝負。

それを応援する私たちは、彼らのアツさに感動し、全力で応援し、ときに涙して、会場全体で熱さを共有するのだ。それがキンプリの楽しみ方であると、私は思う。

YouTubeより © T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

また、この作品が単発の劇場アニメであることも特筆しておきたい。もともとは『プリティーリズム』という女児向けアーケードゲームのアニメ作品からスピンオフしたこの劇場版アニメが、単発でありながらここまで支持を集める理由……。それを知りたければ、ぜひ劇場に直接足を運んで確かめてみられることをオススメする。

きっとあなたも、プリズムショウの虜になる。

 フリーランスエディター・ライター。原宿系ファッション誌の編集者などを経て、2014年独立。ファッション、アニメ、マンガ、ヴィジュアル系、腐女子などのカルチャー分野について執筆。