仕事、夫、親。上手なコミュニケーションはITの活用が肝!

子どもの体調不良が続く時には、ご主人と交代しながら休みを取っていたとのこと。出産後に比較的時間の融通が利く職場になったというご主人とは、毎日の家事も分担しているそうです。さらに、予防接種や検診など、事前に予定が分っているものに関してはご主人が担当。
夫婦で上手に家事育児のフォローをし合っている瀬戸川さんが、復職してから心掛けていることなども伺いました。

「グーグルではチャットやドキュメントの共有機能をはじめ、様々なITツールを使った仕事の効率化でコミュニケーションが円滑になっています。子どもの体調不良時など、勤務時間がいつもより短くなってしまいそうな日は、通勤時間がもったいないので在宅勤務にする場合もありましたね。
私は時短勤務ですが、朝の役割は夫と分担して負担を軽減。また、夕食は食材宅配の「Oisix(オイシックス)」などを利用して、スーパーでは足りない食材を買い足す程度、子ども服などもネットショッピングをフル活用しています。夫婦の日常のコミュニケーションは基本的にメールですが、細かい事はカレンダーで共有するようにしています。
遠方の両親とはGoogleフォトを使ったクラウド上のアルバムシェアがすごく役立っています。祖父母には「レター」というアプリを使って写真つきのカレンダーを送っていて、毎月楽しみにしてくれているようです。」

仕事も家庭もITを使って効率よくコミュニケーションをとったり、親や祖父母との子育ての様子の共有なと、便利なサービスを上手に利用し、無理なく仕事と子育てを両立している様子の瀬戸川さん。

在宅勤務でも必要な作業ができる環境が整っているということは、働くママにとってとても大事な事だと思います。なかなか全ての職種・企業で在宅勤務を可能にすることは難しいと思いますが、柔軟な働き方が可能な社会が広がっていけばいいなと瀬戸川さんの話しを伺いながら感じました。 

“限られた時間で成果を出す緊張感”と子育てとのバランスがちょうどいい

「シンクタンクで6年半ほど勤め、夫の転勤に伴って辞めたのですが、妊娠してからも復職したいと考えていていました。求人を探しても、実際の勤務時間がどれくらいなのかということや残業があるのかなどを考えて二の足を踏んでいた時期もありました。
そんなときに偶然グーグルgCareer Programを知って応募したのです。同じ年頃の子どもを持つ人がグループに男女複数人いたので、子育ての大変さについてよく理解してくれ、気遣ってくれました。また、会議などもビデオ会議システムが日常的に使われているので、自宅からでも違和感なく参加できるのは助かりました。」

201311月からスタートした「gCareer Program」は、職場やキャリアから6カ月以上離れていて5年以上の就労経験があるプロフェッショナルを対象としたインターンシッププログラムです。
働きやすそうで魅力的なイメージを持っていたグーグルという企業と、インターンという働き方に惹かれたという瀬戸川さん。子育てをしながらどれだけ働けるのか、自分と企業がお互いにお試し期間を設けて働けるという気軽さもgCareerに応募した動機だと言います。

正直、「ほんとにこれでいいのかな〜」という不安や迷いを感じた時もあったと話す瀬戸川さん。毎日お子さんを抱きしめているそうです。

「社内の先輩方のアドバイスがあったり、ロールモデルとなる方が仕事と育児の両立の大変さや罪悪感は一時的なものだという話をして下さったりして心強かったです。子どもの体調不良などで休まなくてはいけなくなった時にグループにメールを投げるとマネージャーをはじめすぐに返信してくれるのも安心できました。チームでプライベートの話をすることで、より信頼関係が築けているという実感もあります。」

復職したことで、子どもの成長と自分のキャリアプランを調整しながら考えるようになったそうです。母親という役割に注力するためにも、いい意味で仕事に関してドライになれたとのこと。
そんな瀬戸川さんが思う復職してよかったこととは……

「もちろん経済的な利点はあるとして、個人的には育児と仕事という、片や不確定要素ばかり、片やロジックが最重要という両極端の世界を半日ずつ行き来していると、それぞれでバランスが取れていいかなと思っています。限られた時間で成果を出せているか不安になることもありますが、時間内で最大のパフォーマンスを出そうと集中できるので、どちらか一方だけの環境よりもいい成果を出せているかもしれません。
また、子どもの視点でも保育園は色々なことを経験させてくれるし、規則正しい生活ができているし、いいことだと思っています。」

 自分だけのキャリア、長い目で見て復職を考えよう

今現在も、待機児童の問題や育児の大変さから復職を迷っている人は多いのではないでしょうか?

最後に、様々な事に対してアンテナを張って情報をキャッチしてきた瀬戸川さんが今思う、ママの「復職」について聞きました。

「社内の先輩方の話などを聞いて、中長期的な自分のキャリアを考えても、長いブランクをつくるよりスロースタートであっても細く長く続けていくことが大事と考えるようになりました。子どもに手がかかるのも一時的なもの。その先の自分、1020年先の自分がどうなっていたいのか見据えて今どうするのか、どうしたいのかを考えてみるのもいいのかな、と思います。
あとは復職を迷っている時期からある程度情報収集をしておくと、私が応募したインターンなどのように、自分に合った働き方ができる場所や可能性が見つかる機会が増えるかもしれません。」

大事なのは自分自身のキャリアを見据え、今できることは何か考えること。少しでも関心があれば情報収集しておくクセをつけておくと、本格的に復職するときにスムーズに進めやすくなりそうですね。

瀬戸川さんのように、利用できるサービスをきちんと調べてフル活用できる体制を整えておくことで乗り越えられる事も多いのではないでしょうか。

もちろん大変なこともありますが、仕事と育児、どちらも“それなりに”がんばることで良い相乗効果が出るはず、と4月で復職4年目を迎える筆者は考えます。

編集プロダクション株式会社イメージング・ワークス勤務。首都圏のおでかけ情報誌を中心に、雑誌の編集・ライティングを行う。2012年末に娘を出産し、人生観が約90度変わる。ライフワークバランスについてゆるりと考えつつ、子連れで行けるイベントや遊びスポットを日々模索中。