エディ・レッドメイン

オスカー俳優のエディ・レッドメインが3月9日に、都内で開催された主演作『リリーのすべて』のジャパンプレミアに、メガホンをとるトム・フーパー監督とともに出席した。レッドメインの来日は約3年ぶりで、レッドカーペット形式でのファンとの交流は初めて。「コンニチワ、エディです」と日本語であいさつし、「築地や明治神宮、渋谷に行ったよ」と日本を満喫している様子。また、妊娠中の妻ハンナ・バグショーが駆けつけ、レッドカーペット上で夫婦ツーショットを披露した。

その他の写真

映画は1928年、世界で初めて性適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話に基づくドラマ。レッドメインは自分の内側に潜む女性の存在に気づき、心と身体の不一致に苦悩を深める難役に挑んだ。先日の第88回アカデミー賞では惜しくも2年連続の主演男優賞は逃したが、夫を献身的に支える妻ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルが見事、助演女優賞を獲得している。

「彼女のオスカー受賞は、僕にとっても最高の喜びで、心からうれしかった」と授賞式当日を振り返るレッドメイン。オーディションの段階から「ずば抜けていた」と明かし、「一緒にあるシーンをテストしていたんだけど、なかなかカットがかからなくて。気づいたら、トムが涙を流していたんだ。彼女は演技はもちろん、人柄も最高だよ」とオスカー女優をたたえていた。

本作で披露した自身の演技については、「トムからシナリオを受け取った瞬間から、演じたいと思った役柄。順撮りできないストレスはあったが、“彼女”の心の旅路をいかに表現するかを意識した。今でも、リリーほど魅力的なキャラクターには出会ったことがないと思う」と強い思い入れを示した。

フーパー監督は、代表作『レ・ミゼラブル』でもレッドメインを起用しているが、「実は彼がデビューしたての頃から、素晴らしい俳優になると確信していた。だから、今回、こうして主演俳優として迎え入れる夢が実現して本当に幸せ」と感激しきり。「真の自分を見つける困難さと、それを支える愛の力を感じ取ってもらえれば」とアピールした。

『リリーのすべて』
3月18日(金)全国公開

取材・文・写真:内田 涼