フェルメール3択クイズ:作品編

Q6)35点前後しか現存する作品が確認されていないフェルメールですが、最も多く所蔵している国はどこでしょう?

a:アメリカ
b:オランダ
c:ドイツ

 

A6)a:アメリカ

出身国であるオランダに一番多くの作品があると思いきや、大西洋をはさんだアメリカ(ワシントンやニューヨーク)に10点以上の作品があります。

フェルメール作品の三分の一がアメリカ東海岸に集中してあります。

因みにオランダには7点、ドイツには6点のフェルメール作品があります。

フェルメールの風景画で現存している作品は2枚しか確認されていません。もう1枚はデルフト市内を描いた「小路」(アムステルダム国立美術館蔵)です。

 

Q7)フェルメール作品で最も多く描かれたジャンルはどれでしょう?

a:宗教画
b:風俗画
c:風景画

 

A7)b:風俗画

当初は宗教画、歴史画を描いていたフェルメールですが、人々の日常生活の何気ないひとコマを描いた風俗画を描くようになります。

17世紀のオランダは大変豊かで市民がこぞって自分たちの生活を描いた風俗画を買い求めた時代でした。

 

Q8)フェルメール作品の中に描かれていないものはどれでしょう?

a:花かご
b:天球儀
c:羽ペン

 

A8)a:花かご

17世紀のオランダ・フランドル絵画には花リアルに描いた静物画のジャンルも大きな人気を 博していましたが、フェルメール作品には残念ながら登場しません。

「b:天球儀」は「天文学者」に、「c:羽ペン」は「手紙を書く女」に描かれています。

尚、現在、五反田のルーヴルDNPにてフェルメール作品に描かれたものと同じ天球儀がフランス国立図書館より貸し出され展示公開されています。

 

Q9)盗難に遭ったことのない作品はどれでしょう?

a:恋文
b:レースを編む女
c:手紙を書く女と召使

 

A9)b:レースを編む女

作品数が極端に少なく人気も非常に高いフェルメール作品は悪い人の格好の餌食となりやすい宿命を背負っています。

「a:恋文」はキャンバスを切り裂かれぐるぐる巻きにされた酷い状態で何とか戻ってきました。

「c:手紙を書く女と 召使」は1974年と1986年の二度に渡り盗難の憂き目に遭っています。

 

Q10)フェルメールの贋作を騙されて購入してしまった美術館は?

a:ボストン美術館
b:シュテーデル美術館
c:ボイマンス美術館

 

A10)c:ボイマンス美術館

稀代の贋作者ハン・ファン・メーヘレンにより意図的にフェルメール風に 描かれた「エマオの食事」という作品をロッテルダムにあるボイマンス美術館は高額で購入してしまいました。

オランダ国内にある美術館としてフェルメールの作品がどうしても一枚は欲しかった美術館側にも脇の甘い点があったことは確か。

ですが、当時の研究者がこぞって「本物」と認めていたのですから、騙されても仕方ないかと思うのですが…。

 

さて、皆さん10問中、何問正解したでしょうか。基本的な問題も多かったので「赤点」なんてことはないと思います。

逆に満点を取られた方も多いのではないでしょうか。

クイズ形式で楽しくフェルメールに関する基礎知識を学んだあとに、実際にご自身の目で作品と向かい合ってみて下さい。

これまでとは違ったものが観えてくるかもしれませんし、受ける印象も違ってくるはずです。

静謐なイメージの強いフェルメール作品が、11人もの子供のいる家庭で描かれたことを想像するだけでも愉快ですよね。

 

「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展
開催期間:2016年1月14日(木)~3月31日(木)
開場時間:10:00~20:00 ※最終入場時間は閉館の30分前まで。
会場:
森アーツセンターギャラリー

「フランス国立図書館 体感する地球儀・天球儀展」
前期:2016年2月19日(金)〜5月22日(日)後期:2016年6月3日(金)〜9月4日(日)
開館時間:金18:00〜21:00 / 土、日 10:00〜18:00
※月~木、金曜日が祝日の場合は休館。
場所:東京都品川区西五反田3-5-20 DNP五反田ビル1F

主催:TBS、朝日新聞社、森アーツセンター
後援:外務省、文化庁、アメリカ大使館、オランダ王国大使館、J-WAVE
協賛:三井住友銀行、日本写真印刷、三井物産
協力:日本通運
企画:財団ハタステフティング

「青い日記帳」主宰。暇さえあれば美術館・博物館へ足を運び、広く浅くをモットーに古美術から現代アートまで鑑賞。展覧会レビューをはじめ、幅広いアート情報を毎日発信する美術ブロガー。コラム執筆やトークショーも行う。