アンディとの約束…“ボニー”という少女について思うこと

『トイ・ストーリー4』©2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

ウッディが別の道を選ぶ、そもそものきっかけとなったのは、持ち主であるボニーに飽きられてしまった事。

幼少期から『トイ・ストーリー』と共に育ち、ドンピシャでアンディと同世代である筆者も、

「こんな結末になるなら、ずっとアンディの傍にいて欲しかった…大事にするって約束したのに、なんで?!」

と、当初は悲しい気持ちになりました。

飽きてしまうのは「しょうがない事」だけど…

ウッディたちを譲り受けた時、ボニーはまだたった4歳の、ちいさな女の子でした。

もちろん、優しくて、愛情深くて、様々なおもちゃで平等に遊ぶことが出来る、しっかりした良い子です。

ですが、言ってしまえばボニーは、アンディとウッディたちの深い絆や歴史を知りません。

譲り受けるときの、アンディの「大切にしてくれるかな? 」の台詞1つで、あの年齢の子がそこまで感じ取れないかも、と思うんです。

子どもって、すぐ忘れてしまったり、悪気なしにフイッと飽きてしまう事だって全然ありますよね。

父親がウッディを踏むシーンも、ファンからしたら見ていられませんでしたが、確かに親って、1度買い与えて子供のものになったおもちゃに、そこまで執着しないかも。(もちろん「大事に遊ぶんだよ」等は教育しますが)

だからと言って、「物を大切にしない」と言う事ではないですが、つい気づかず踏んでしまったりすることも、確かに身に覚えがあったり…

こういった描写の数々は、ある意味今までのどのシリーズよりも、リアルなものになっているのかもしれません。

でも、『トイ・ストーリー』でやらなくても…

とは言え、ファンの愛も思い入れも段違いな『トイ・ストーリー』シリーズ。

テーマとしては凄く分かるよ、分かるけど。

1~3作であれほど一貫したウッディの信念と絆を描いてきたのに、なにもこんなにファンが多く、かつ3作目で綺麗に完結したシリーズで、このテーマをやらなくても!という気持ちも、もちろんあります。

「あのウッディが?!」という、「だからこその重み」も分かりますが、アンディとの絆&ウッディが掲げる信念を見て育ち、それごとシリーズが好きだったファンにとっては、あまりにも酷な結末過ぎた。

『トイ・ストーリー』から続く24年間の思い入れを、本作である意味ひっくり返し、さらにこの1作で受け入れろってのは…

そりゃまぁ「ついて行けない。無理。こんなの『トイ・ストーリー』じゃない」という感情を生むよなぁ。

ボニーの行動や心情は、徐々に納得できて来たけど、おもちゃ社会のルールや既存キャラ設定の崩壊、強引とも取れる展開の数々は、腑に落ちない点でもありました。

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