未来を知ることができたらどうなるか。

「ギャンブルで大儲けだ!」と大喜びして調子に乗るかもしれませんが、往々にしてトラブルに巻き込まれそうです。角川書店の「月刊少年エース」で連載されていた『未来日記』(えすのサカエ)も同様です。中学2年生の天野雪輝は携帯電話で日記を書いているのですが、なぜか未来の日記を読むことができるようになります。同じように未来の日記を読むことができるようになった友人の我妻由乃ら11人と共に、次期時空王(神様のようなものと思ってください)と巡って争うことになります。

日記に書かれたことなので、変えることはできないと思われるのですが、そこは解釈の問題だったり、書いた人間の主観や意図的な誘導だったりして、未来は微妙に変わっていきます。ただ未来の日記もいろいろありまして、2人が交互に書いていく「交換日記」や何人もの報告を記していく「千里眼日記」などがあります。読んでいくのも活用していくのもひと苦労だと思うのですが、神様になれる争いとなれば、そうも言っていられません。じゃんけんのように3すくみ4すくみの状況になることもあり、スリリングな戦いが続けられます。

やはり主点は「未来は変えられるのか」です。漫画のラストは概ねハッピーエンドになるのですが、「2巡目の世界」や「3巡目の世界」の言葉が出てくるように、必ずしも同一世界で進行しているのではありません。となると、アンハッピーエンドに進む世界もどこかにあるかのように思わせる展開にもなっています。