早霧せいな、咲妃みゆ 撮影:源賀津己 早霧せいな、咲妃みゆ 撮影:源賀津己

宝塚歌劇団が、名作映画『ローマの休日』をミュージカル化する。3月17日、その制作発表会見が開催され、雪組トップスター・早霧せいな、トップ娘役・咲妃みゆら出席、意気込みを語った。

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新聞記者ジョーと、お忍びでヨーロッパを訪れたアン王女のつかの間の恋……。世紀を超えて映画ファンから愛される『ローマの休日』だが、何よりも印象的なのは、主演のグレゴリー・ペックとオードリー・ヘップバーン。この名優たちが演じた物語に挑む早霧率いる雪組は、小川友次 歌劇団理事長によると「(早霧のトップ就任)お披露目公演から3作連続、観客動員率100パーセントを超える(※全公演完売し、さらに立見も出ているという意味)という、歌劇団の新記録を作った。今ノッている組」とのこと。演出を手がける田渕大輔も「いま充実しているトップコンビ。すでに出来上がった作品を、宝塚の新たな作品として作り上げる芝居の力を持っているので、新たな『ローマの休日』を生み出してくれることを私自身も期待している」とコンビでの力量を高く評価した。

そのふたりは、作品について「もちろん映画の世界観は大切にしたいと思いますが、グレゴリー・ペックさんの真似にならず、宝塚で、この雪組で、そして相手役が咲妃だからこそ早霧のジョーはこういう風になったと納得していただけるような役にしていきたい」(早霧)、「あまりにも有名な話で、お客さまもどういう展開になるかご存知の方も多いと思う。でも名作の再現に走るのではなく、きちんとその瞬間ごとに息づくことが舞台化する意味だと感じています。新鮮に、早霧さんの演じるジョー・ブラッドレーさんとの24時間の淡い恋を私自身も楽しみつつ演じられたら」(咲妃)とそれぞれ語った。

雪組は『ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―』『るろうに剣心』と、有名な原作がある作品の上演が続いている。人気作を宝塚版として上演することについて、早霧は「皆さんの中ですでにイメージがある作品を演じる時は、自分の役もより多くの方が抱いているイメージの中に入ることがベストだと思っている。皆さんがその作品・その役をどう捉えているか、客観的に引いて見て、そこを自分自身が楽しみ、役に近づいていく。何度も原作ものを経験しているからこそ、役へのアプローチの仕方を身体で覚えてきた感覚があります。おかげさまで楽しんでやっています」と話していた。今回も、雪組ならではの『ローマの休日』が出来上がるのを、期待したい。

公演は6月14日(火)から19日(日)まで愛知・中日劇場、6月25日(土)から7月10日(日)まで東京・赤坂ACTシアター、7月30日(土)から8月15日(月)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。