森川葵

3月26日に公開されるホラー映画『ドロメ』。この映画は、統合予定の男子校と女子校の演劇部の合同合宿を舞台に巻き起こる奇妙な出来事を、同じ時間軸で進行する男子と女子の視点として2るの作品で描く、新感覚ダブルアングル・ホラー。その【女子篇】の主演を務めるのが、今注目の若手女優、森川葵だ。

 

──映画『ドロメ』の完成版を見て、いかがでしたか?

 ホラーなんですけど、笑えるところもある作品です。でも、笑いの方に気を取られて笑っていると、怖いシーンはすごく怖いので“ハッ!!”となっちゃいましたね。

──森川さん主演の【女子篇】と、小関裕太さんを主演にした【男子篇】の2作で3日間の物語が描かれていますが、この企画を聞いたときはどんなお気持ちでしたか?

 【女子篇】と【男子篇】と2つのパートに分かれていて、台本で読んでいたときはいまいち想像がつかなくて…。1本終わってからもう1本公開するの?? どういうこと?って(笑)。普通は1本の映画の中で完結されるものを、バラバラでやるって、新しくって面白いなぁって思いました。実際に映像で見たら、【女子篇】では描かれていなかった謎の部分や、この裏でこんなことになっていたのか!ということがあって、【女子篇】を見て【男子篇】を見て、もう一度【女子篇】を見たくなってしまいました。

──この作品で監督を務めるのは、映画『先生を流産させる会』など、作品が発表される度に物議と賞賛を巻き起こす、若手監督筆頭の内藤瑛亮さんですが、撮影現場での印象は?

 【女子篇】【男子篇】と同時進行で撮影していたので、すごく大変だったと思います。私が演じる小春に関しては、過呼吸のシーンがあったんですけど、私自身、過呼吸になったことがないので、過呼吸の仕方がわからなくて…。大体こんな感じかなってやっていたら、監督に「過呼吸はそんなもんじゃない!」って指導されました(笑)。あと、絢先輩(比嘉梨乃)にハサミを投げて手の平にささるシーンとか、すごい技術を使っていたり、血がものすごくリアルだったり、内藤監督ならではの“ホラー”へのこだわりがすごかったです。

──内藤監督が「ベートーヴェンの交響曲第9番『合唱』第4楽章に合わせて、モンスターをフルボッコする映画を撮りたい。以前から夢想していたことがついに実現しました」とコメントされていましたが、そのシーンについてはいかがでしたか?

 バットを人に当てなきゃいけなくて…。人を殴っていいのかなって、はじめは恐る恐るやってたんです。でも「スローになるシーンだから、まじめに殴って!」って言われたんです。本気で殴らないとバレちゃうからって言われて、ホントに「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」って言いながら本気で殴らせてもらいました(笑)。でも「これが撮りたかったんだ!」って言ってくださって。映像としてみたら、本当にスカッとするシーンになっていましたね。

廃校での撮影は、ドロメ以外の何かも出てきそうで怖かったです

──撮影は、静岡県の実際にある廃校で行われたそうですが…。

 そうなんです。とにかく怖かった。夜のシーンが特に怖かったですね。妖怪“ドロメ”の動きがすごく気持ち悪くって。撮影だから演技だっていうのも分かっているんですけど、廃校で撮影しているって思うと、本当にリアルで怖かったです。動き方が、腕ってそんなふうに曲がるの!?っていうくらい、この世のものじゃない動きをしていて…。廃校という環境も、もしかしたらドロメ以外の何かも出てくるんじゃないかって思って、ビクビクしていました。

──森川さん自身に霊感はありますか?

 ないです! 怖いのも全然ダメで、お化け屋敷も絶対入れないし、ホラー映画も1人では見られません。これまでにも映画『劇場版零~ゼロ~』とか、ホラー作品に出させていただいたことがあるんですけど、演じてるときとか、現場で見ているときは、まだ我慢できるんです。ただ、映画って、音とかがつくと怖さが増しますよね。なので、今回の『ドロメ』も撮影現場よりも、完成版の方が怖かったです。

 

──共演者にはドラマ「ごめんね青春!」で共演した小関裕太さんをはじめ、同年代が多かったと思いますが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

 10日間くらい泊まり込みでの撮影だったので、すごく仲良くなりましたね。本当のクラブ活動みたいで楽しかったです。撮影も、みんなで自然に話してる言葉や行動だったり、その場にいて自然にできたものを撮るというやり方だったので、比較的自然な雰囲気で過ごしていました。例えば、スープカレーを食べるシーンでは、カレーにコンニャクが入っていたんですけど、「え、カレーにコンニャクって入れるっけ?」って、台本にはそういう言葉はないのですが、その場その場で感じたことを言ったり、作っていくやり方だったので、生のアドリブみたいな感じでできました。花火をするシーンも、本当に合宿しているみたいに楽しませてもらいました。

──全体を通しての見どころは?

 ホラー映画なので、怖いところはとことん怖いです! そんな中でも笑えるところもたくさんあるので、笑って楽しんで、見てもらいたいですね。でも、やっぱり怖がってもらいたいですね(笑)

20歳なんてまだまだこれから。私らしく自由にやっていきたい

──最近では、月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」に出演し、主人公の音(有村架純)と練(高良健吾)をはじめとする男女の関係をかき乱すという、物語のキーパーソンとしても話題になりました。さまざまな役を見事に演じ分けていますが、演じることの楽しさを感じるときはありますか?

 モデルのころは、きれいに自分を撮ってもらえたりするんで、それもすごく楽しかったんですけど、演技だと自分じゃない“誰か”になれるっていうことがすごい楽しいですね。自分だったらこんなことを言えないよっていうこととか、できない行動をしたりするので、そういうところは楽しいって思います。

──昨年、20歳を迎えられましたが、何か変化を感じられたことはありますか?

 成人式行けなかったんです…。でも振袖を着て撮れました! 小さいころから20歳ってこんな感じかな?とか(20歳の自分を)思い描いていたという記憶がないんです。どこかで20歳って大人になるもんだって思ってはいたんですけど、実際になってみるとまだまだこれからなんだなって思います。自分自身も、思い描いていた20歳というか、こうなりたかった自分になれてないっていうのもなく、20歳になったから変化しようとも思っていないんですよね。いただいたお仕事にちゃんと向き合って、でも、私らしく自由にやっていきたいなって思っています。

【森川葵/プロフィル】もりかわ・あおい

1995年6月17日生まれ。2010年、女性ファッション誌「Seventeen」の専属モデルとしてデビュー。12年に女優デビューを果たし、日本テレビ系ドラマ「スプラウト」が初出演作。そのほか、映画『渇き。』(14年)、『劇場版零~ゼロ~』(14年)、ドラマ「ごめんね青春!」(15年、TBS系)、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(16年、フジ系)などに出演している。4月からはTBSテレビ毎週金曜夜11時から放送されているトーク番組「A-Studio」で笑福亭鶴瓶の8代目アシスタントとしてレギュラーを務めることになっている。

映画『ドロメ【男子篇】』『ドロメ【女子篇】』

来年度から共学になる予定の男子校の泥打高校と、女子校の紫蘭高校。統合に先立ち、両校の演劇部が泥打高校で合同合宿を行うことに。颯汰(小関裕太)ら男子部員は、女子との出会いに胸を膨らませていた。一方、男子との出会いに期待と不安を抱きながら、泥打高校へ向かっていた小春(森川葵)ら女子部員は、その道中で、崖の下で泥まみれになった観音像を見つける。無事に合流し、合同合宿が始まったのだが、奇妙な出来事が部員たちを襲っていく。そしてその原因が昔から村に言い伝えられている妖怪“ドロメ”の仕業であることが明らかになっていく…。

2016年3月26日よりシネマート新宿ほか全国順次、2作品同時“シンクロ”ロードショー公開(c)2016「ドロメ」製作委員会

取材&テキスト:hana

撮影:金田 誠